選挙活動、長崎の若者に響くか 候補者の取り組みと課題

参院選長崎選挙区に立候補している3候補者のポスター。イメージカラーなどを使っている=長崎市内

 選挙カーで各地を駆け巡るなどしている参院選長崎選挙区(改選数1)の候補者。握手戦術といった昔ながらの地道な取り組みを続けるが、イメージ戦略やネット活用などはどうか-。各陣営の取り組みと広がりを探った=候補者名は届け出順=。

 「夏の選挙なので涼しげな色を選んだ」。そう語る自民現職の古賀友一郎候補(51)のイメージカラーは「ライトブルー」。母校、青雲高の「青」や東京大のイメージカラーに合わせた。「好きな色」だという。
 元総務官僚で政策中心に訴えている古賀候補。陣営は「固いイメージが先行しているが、そうではないことを伝えたい」と会員制交流サイト(SNS)を活用。ツイッターは若者向け、インスタグラムはフォトギャラリー、ユーチューブは演説の動画ギャラリーと使い分け、「拡散に期待している」(古賀候補)。
 ただ、更新は担当者任せで本人のコメントは少ない。フォロワー数も選挙の短期間では急伸せず、拡散には限界があるようだ。
 国民民主新人の白川鮎美候補(39)のイメージカラーは、カラーセラピーで“希望”を表すという黄色だ。「男性、女性じゃなくて中性的なイメージもある。みなさんの希望の星になる」との思いを込めた。
 陣営はおそろいの黄色い服を身にまとい、SNSに投稿した写真では黄色など明るい色が目立つ。フェイスブックやインスタグラムには、1日1回を目標に本人が投稿。日々の出来事や感じたこと、食べたものなどを紹介している。文面は絵文字を多用。「#投票に行こう」「#叶えたい世界」などハッシュタグを付けている投稿が多く、「若さ」や「普通の女性」をアピールし、SNSを積極的に活用している。
 一方、政治団体「NHKから国民を守る党」新人の神谷幸太郎候補(43)。県内で選挙活動はしていないが、ツイッターで「長崎よりN国党を応援する会」というアカウントが自然に立ち上がり、ボランティアが選挙掲示板にポスターを貼っている。本人の顔写真はなく、スローガンが赤い文字で躍るポスターは、他候補とは対照的だ。
 「NHKをぶっ壊す」とだけ連呼した政見放送はユーチューブに次々に転載され拡散されている。神谷候補は「面識はなく、SNS上のつながりだけだが、ありがたい」と話す。
 ネット活用について若者はどう見るのか。受け止め方はさまざまだ。長崎大3年の山内愛加さん(20)は「自分で調べてまでは見ない。正直、投票に行くのが面倒という気持ち。ネットで投票できたらいいのに」。同大3年の田中和人さん(21)は「街頭演説や集会があっても授業がある時間は見に行けない。SNSで発信してもらえると興味がある若者は見ると思う」と評価する。
 SNSは拡散に課題はあるが若者のニーズは一定ありそうだ。ただ、発信する内容が共感を呼ぶかどうか。結局、ネットでも響く訴えなのかが問われるようだ。

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