【MLB】ダルビッシュ復調はカブス最大の“補強” 米記者「ついに類稀なる才能を披露」

今季3勝目を挙げたカブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

18日のレッズ戦で14試合ぶりの3勝目をあげたダルビッシュ

 17日(日本時間18日)の本拠地レッズ戦で14試合ぶりとなる白星をマークしたカブスのダルビッシュ有投手。後半戦に入り、2試合連続の無失点。4回までノーヒットに封じる圧巻の投球で、6回を投げて2安打7奪三振。81日ぶりの3勝目をあげて完全復活を印象付けた。

 現在、ナ・リーグ中地区でブルワーズ、カージナルスと首位争いを繰り広げているカブス。ここからリーグ優勝、プレーオフ進出を目指して勝負の後半戦に突入していくことになる。プレーオフ進出を目指し、各チームがトレードなどで補強に動く時期でもあるが、地元紙「シカゴ・サンタイムズ」は「ダルビッシュの復活は大きな収穫」と捉えている。

 同紙のゴードン・ウィッテンマイヤー記者は「ダルビッシュの復活は、カブスにとってトレード期限までの最も大きな収穫だった」とし、ダルビッシュの復調をレポート。「3万7000人強の観客が『ユウウウウウウ』とこれまでのリグレーフィールドでの最大の音量で絶叫するなか、ユウは、ターンして、拳を突き上げ、叫び、そして再び拳を突き上げ、もう一度叫んだ」とレッズ戦での快投と、ファンの熱狂を伝えている。

 ポストシーズンを目指すチームがより一層の戦力補強に乗り出すトレードの期限は7月31日(日本時間8月1日)に迫る。その目前で、13試合連続で白星から遠ざかっていたダルビッシュが2戦連続で好投したことで、ウィッテンマイヤー氏は「カブスは、トレード期限の前に、インパクトのあるピッチャーを獲得した。レンジャーズで4度もオールスターに選ばれた実力や自信を今年少しだけ見せていたダルビッシュだったが、ここにきて立て続けの確実なパフォーマンスで、ついに彼の稀なる才能を披露し始めた」と指摘する。

「シーズン最後の土壇場で特に大きなインパクトを与えるのは、ダルビッシュだ」

 さらに、同氏はカブスが地区優勝、そしてポストシーズンを勝ち抜くために、このダルビッシュの力が鍵を握るとも記している。「激しい地区争いから一歩抜け出したいと思っているチームにとって、どんなことを意味するのだろう」とし、ホトビー投手コーチの「ほら、オフェンスで試合に勝ち、ディフェンスでチャンピオンシップに勝つというじゃないか」とするコメントを紹介している。

 カブスは野手にハビアー・バエス、カイル・シュワーバー、クリス・ブライアント、アンソニー・リゾといった屈指の好選手が揃う。投手陣もダルビッシュ、ジョン・レスター、ホセ・キンタナ、カイル・ヘンドリクスらが集う。ホトビー投手コーチも「今のローテーションが組めて、とてもラッキーだと思う。彼らの多くが、健康で上手く行けば、チーム全体に良い影響を与える」と自信を見せている。

 その中でも、最も大きな影響を与える存在として、ウィッテンマイヤー氏は「彼ら投手陣一団が健康でも、シーズン最後の土壇場で特に大きなインパクトを与えるのは、ダルビッシュだ」と挙げる。カブスは今季、同地区のレッズと4カード戦い、4カード目で初の勝ち越しに成功。後半戦がスタートし、ここまで5勝1敗と白星を積み重ね、6試合連続でクオリティースタートを達成した。

 同氏はこの要因を「カブスが後半戦、5-1でスタートでき、今シーズン4度目のトライでレッズについにシリーズで勝ち越したのは、それ(ダルビッシュの活躍)が最大の理由だ」とし、ダルビッシュの復調を掲げた。そして、終盤戦とポストシーズンに向けて、重要な存在になると挙げていた。(Full-Count編集部)

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