期日前投票は増えた?減った?週末は雨模様だと投票率は低下の恐れ!?| #参院選2019

今年は12年に1度、参議院議員通常選挙(以下、参院選)と統一地方選挙が重なる「亥(い)年選挙」の年。立て続けに行われる選挙の影響で、投票率が下がる傾向がある、とされています。

目で見る投票率 総務省選挙部 平成29年1月

参院選で過去最低の投票率44.52パーセントを記録した1995年も「亥年」選挙でした。

今回の参院選。まず見過ごせない法則を押さえておきたい。

「亥年現象」だ。

今年は、12年に1度、春の統一地方選挙と夏の参議院選挙が立て続けに行われる年、イノシシの年だ。
そこで、ひとつグラフを見ていただこう。参院選の過去の投票率を示したものだ。
亥年は、ほとんどの選挙で、投票率が大きく落ち込んでいることがわかる。
引用:投票率、ズバリ当てます! 参院選 特集記事 NHK政治マガジン

 

確かに「亥年」の参院選の投票率は、他の年の選挙に比べ落ち込んでいるのが分かります。例外もあり、2007年は58.64パーセントと投票率が下がりませんでしたが、この時は流行語大賞トップテンにも名を連ねた「消えた年金問題」(公的年金保険料の納付記録漏れ問題)の渦中で、有権者の政治に対する関心が高まっていたことが影響した可能性があるようです。

参考記事:参院選スタート 政治には期待せず?もうひとつの焦点「投票率」

期日前投票は増えた?減った?

総務省が15日発表した参院選(21日投開票)の期日前投票の第2回中間状況によると、公示翌日の5日から14日までの10日間で630万9589人が選挙区選に投票した。前回の2016年参院選と比べ、1日平均では5・76%(3万4392人)増えた。
読売新聞:参院選の期日前投票、前回より1日平均5・76%増

総務省の速報によると、14日現在の参議院選挙の期日前投票率は5.92%で、3年前の前回参院選の期日前投票率を0.26ポイント下回っている。
FNN:期日前投票率 5.92% 前回の参院選下回る

総務省は参院選投開票日の7日前にあたる14日までに期日前投票者数が630万人を超えたと発表した。1日平均で約63万人にあたる。参院選で過去最高だった前回2016年の同時期の1日平均は59万人で、これを上回った。参院選では04年から始まった現行制度の定着がうかがえる。
日本経済新聞:期日前投票、14日までに630万人 制度の定着映す

14日に総務省が発表した、今回の参院選期日前投票の中間状況。これを報道したテレビや新聞社で、報道の仕方に大きな違いが出ました。「参議院の期日前投票、前回より1日平均5・76パーセント増」と増加を報じたところもあれば、「期日前投票、14日までに630万人 制度の定着映す」と期日前投票が定着してきていることに着目したところ、そして「期日前投票14日までに約630万人、前回より25万人余少なく」と減少としたところも。

増加とも減少とも読める、これらの報道の違いは、どうして生じたのでしょうか?

状況を発表した総務省の担当者に聞いてみると「どれも間違っている数字ではないです」との答えが返ってきました。「今回の発表は、投票期日(21日)の7日前現在の中間発表になっています。前回(2016年)の参院選は『沖縄慰霊の日』が当初の公示予定日にあたっていたため、現実には公示日が一日前になった関係で、今回より1日選挙期間が長いのです」ということでした。

つまり、前回は選挙期間が18日あったのです。なので、投票日の7日前という時点で「前回より25万人少ない」のは事実なのですが、前回の方が今回より1日長くカウントされていることになります。「1日平均5.76パーセント増」も正しいのですが、こちらは両選挙の比較として同じ日数で計算したものとはなっていない、ということです。

中間発表の数字で、47都道府県で前回比で8割に達していないのは、前回の参院選から合区となった徳島県だけで、75.97パーセントでした。全体としては「制度の定着」の報道通りで、総務省担当者も「数字から見ると、前回(2016年)と同じぐらいと思います」と期日前投票でみる限り、現在、投票率の目立った低下はない、との見方です。

気になるのは天気。雨だと投票率がさがるのか?

あとは当日ですが、気になるのは天気との関係です。「投票率と天気 梅雨明けが鍵」との記事がありました。この記事によりますと、天気が詳細に分かる1962年から前回(2016年)までの19回の参院選のうち、梅雨明け後の投開票は5回だそうです。過去最も投票率が低くなった1995年は、投票日の当日に梅雨明け(近畿から東北まで)で、東京では午前中から気温が30度を超えていたそうで、暑さが投票率低下に拍車をかけた可能性もありそうです。

先ほどの記事では東京の例で、1962年からの参院選で投票率の一番高いのは雨の日、一番低いのは晴れの日、と出ています。投開票日は7月21日の天気が気になりますが、19日の17時現在の21日の天気予想は、全国的には曇りが多く、関東では曇りのち雨という予報です。投票率低下の「亥年現象」を覆せるか、選挙日当日はもう目の前です。

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