箱根山「レベル2」2カ月 地震、膨張終息せず

箱根山

 箱根山(箱根町)の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)への引き上げから、19日で2カ月が経過した。火山性地震が増減を繰り返しながら継続し、山体膨張の地殻変動も収まっていないため、気象庁は「警戒レベルを引き下げる状況ではない」と指摘。噴気活動の盛んな大涌谷で小噴火の恐れがあるとして、引き続き警戒を呼び掛けている。

 同庁が同日発表した箱根山の火山情報によると、微小な火山性地震は17日に19回を記録。7月に入ってからは1日に0~3回と少ない状態が続いていたが、警戒レベルを2とした5月19日に74回を観測した後では最も多かった。県温泉地学研究所によると、芦ノ湖周辺が主な震源だったという。

 また、衛星利用測位システム(GPS)などから把握される山体膨張の地殻変動については、「地下の浅い場所の膨張を示す近隣の観測地点のデータには伸びの鈍化がみられるものの、深い場所の状況を示唆する遠距離の観測地点では膨張が継続している」(気象庁火山課)と判断している。

 山の膨らみは、火山活動の源である地下のマグマだまりの膨張などを反映した現象とされる。同庁が定めた箱根山の噴火警戒レベルの判定基準では、地殻変動が「ほぼ停滞」することがレベル1(活火山であることに留意)へ引き下げる際の条件の一つ。地震については、30日間で9回程度に減少することが必要で、現時点では基準を満たしていない状況だ。

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