スペインで久保建英選手のプレーを生観戦、いくらかかる?

来シーズンからスペインのサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ」のレアル・マドリード・カスティージャでプレーする久保建英選手。彼のプレーを生で見たいサッカーファンの方も多いことでしょう。しかし、そのコストも気になるところではないでしょうか。

そんなみなさんのために、今回の記事では、スペイン在住の筆者がカスティージャのゲームを見るための費用を試合のあるエリア別に紹介します。旅行シーズンによって宿泊費などは変動しますが、コストのおおよその目安としてお役立てください。1ユーロ=130円として計算。また、宿泊費はBooking.com、交通費はスペイン国鉄(RENFE)公式WEBサイトを参照しています。


カスティージャの試合観戦で注意するポイント

2019/2020シーズンに、カスティージャのライバルとなるのは19チームです。マドリード市内と、カスティーリャ・イ・レオン地方、ガリシア地方、そしてエストレマドゥーラ地方の4つのエリアに対戦相手がいます。日本ではあまりなじみのない、小さな街もいくつかありますが、基本的にどの街も列車あるいはバスでアクセス可能な、交通の便のよい場所がほとんどです。

なお、カスティージャの試合を観戦するにあたり、気を付ける必要があるのは以下の点です。

1.カスティージャのホーム・スタジアムは、マドリードにあるエスタディオ・アルフレッド・ディ・ステファノです。サンティアゴ・ベルナデウではないので、ご注意ください。
2.しかし、カスティージャのホームゲームのチケットはレアルのソシオ(会員)に優先的に販売し、一般客が手に入れることはほとんど不可能。
3.一方、カスティージャがアウェーとなるスタジアムでは、通常通り観戦チケットを窓口で一般販売しているので、そこで購入することは可能。
4.チケット代金は一人10ユーロから15ユーロ。

つまり、基本的にスペインでカスティージャのゲームを見ることができるのは、このチームがアウェーの試合の時だけということになります。

ここからは、エリアごとにかかる費用をシミュレーションしてみます。

マドリード市内―宿泊費は高いが、楽しみも多い―

6つのライバルチームが集中しているマドリードは、もっとも久保選手のプレーを生で見るのに適した街です。この街で5日間過ごしながら、レアル・マドリード・カスティージャのゲームを見た場合、おおよその予算は上の表のとおりです。

マドリードで特に高いのが、宿泊費。3つ星以上のホテルに泊まるなら、1泊100ユーロぐらいと計算しておいた方が良いでしょう。とは言え、もしもマドリード市内に数多くある経済的なホステルやドミトリーに宿泊するのなら、このコストを抑えることができます。

加えて、マドリード市内での試合の場合、スタジアムがメトロ(地下鉄)やマドリードの近郊路線鉄道(セルカニア)から、遠い場所も少なくありません。そのため、タクシー代を含めたマドリード市内での交通費も多めに見積もっておいた方が良いでしょう。

コストはかかりますが、その分プラド美術館など、見どころも豊富なのがマドリードの良いところなのです。

<写真:森田直樹/アフロスポーツ>

カスティーリャ・イ・レオン地方―その気になれば日帰り観戦も可能―

マドリードから高速鉄道やバスで1時間半から2時間ほど移動すると、カスティーリャ・イ・レオン地方の各都市に到着します。試合の時間帯によっては、日帰りでマドリード往復も可能な地方です。

しかし、旅行中に久保選手のプレーを見るなら、各都市で1泊するのがおすすめです。そのため、上記の表では、この地方で1泊した場合のコストを提示しました。

特に3チームが集中するサラマンカは学生街であるため、宿泊費がマドリードと比べて割安です。加えて、ここはイベリコハムの有名な産地の一つ。世界遺産にも指定されているため、試合前後の観光も十分に楽しむことができます。

ガリシア地方―試合の前後に海の幸を堪能―

スペイン北西部に位置するガリシア地方は、緑豊かな場所です。マドリードから行く場合、飛行機だと1時間、そして列車では5時間ほどかかります。

そのため、ここで試合を観戦するなら最低2泊はしたいところ。例えば、セルタ・デ・ビーゴの本拠地であるビーゴは海辺の街。ここの名物は、「プルポ・デ・ガリシア」と呼ばれる、塩とオリーブオイルで味付けしたシンプルなタコ料理。ゲームを見た後この料理を食べながら、アルバリーニョのワインを楽しんでみるのもありです。

なお、この地方はスペインの中でも雨の多い地方です。雨具の用意をお忘れなく。

エストレマドゥーラ地方―最低2泊はしたい、隠れた名所のある地域―

日本人にはあまりなじみのない、エストレマドゥーラ地方。マドリードから列車で5時間ほどで到着します。移動時間がかかる場所ですので、ここを訪れるときも、最低2泊ぐらいはしたいところです。

この地方でカスティージャのゲームを見る利点の一つに、各スタジアムへのアクセスの良さがあります。3チームともほぼ各市内の徒歩で移動できる範囲にスタジアムがあるのです。

そして、日本では知られていませんが、意外と見どころが豊富な地方でもあります。例えば、メリダには劇場等の大規模なローマ遺跡群が残っている街として有名です。また、春先にはサクランボの花が日本の桜のように満開に咲き、スペイン中からお花見を楽しむ人が集まる地域でもあります。

なお、この地方の夏は相当に暑くなります。観戦の際には体調管理にご注意を。

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