神戸地検トップに初の女性着任「安全脅かす犯罪に厳正対処」

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着任会見で抱負を語る田中素子検事正=神戸市中央区橘通1

 神戸地検トップの検事正に女性で初めて着任した田中素子氏(61)が19日、神戸市中央区の同地検で会見した。「県民の安心安全を脅かす犯罪に厳正に対処し、県民の信頼を得られるよう職責を果たしたい」と抱負を語った。発令は16日付。

 高齢者らを狙う特殊詐欺や、指定暴力団山口組の分裂騒動などへの対応に力を入れるといい、「一つ一つの事件に誠実に向き合いたい」とした。5月で導入10年を迎えた裁判員裁判に関し、審理する市民の心理的負担に配慮して示されない傾向のある「刺激証拠」について「証拠調べしていただけるよう努力したい」との考えを示した。

 大阪府出身で関西大学法学部を卒業後、1988年任官。駆け出しのころ、女児が誘拐・殺害された事件の公判を担当し「被害者に寄り添い、裁判所に気持ちを最大限伝えるよう努力しなければ」と胸に刻んだ。

 2009年に名古屋地検特捜部長。全国で3地検にしかない特捜部で女性の部長就任は初めてだった。今回も「女性としての意識は全くない。女性の後輩は増えてきた。これからは『女性初』という冠もなくなる」と気負いはない。

 神戸地検の勤務は姫路支部を含めて3回目。「かつて一緒に仕事をした職員も多く、心強いし、楽しみ」と語る。(小林伸哉)