ドラえもん、半世紀の歩み 川崎の藤子ミュージアム企画展

1969年12月号に掲載された予告。この時点ではまだ「ドラえもん」は存在しなかった =川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム

 ドラえもんがのび太くんの机の中から飛び出してから50年。節目を飾る企画展が20日、川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム(同市多摩区)で始まった。2021年1月まで3期に分けて開催し、1期では「初めて」にまつわるエピソードを原画で展示。国民的アニメの半世紀の歩みが詰まっている。

 ドラえもんは、小学館の幼稚園~小学4年生向けの学年誌6誌で1970年1月号から連載が始まった。

 展示会場の入り口で出迎えるのは、69年12月号に掲載された予告の拡大パネル。描かれているのは机の中から「何か」が飛び出してくる場面だ。この時点ではまだドラえもんのキャラクターイメージは固まっていなかったという。誕生までの経緯を描いた「ドラえもん誕生」の原画では、そうした苦悩が垣間見える。

 「初めて」をテーマにした特集は、ドラえもんの好物どら焼きのほか、スネ夫の自慢やジャイアンリサイタル、しずかちゃんの入浴など、おなじみの場面が初登場したシーンが満載だ。各学年誌の原画を並べたコーナーでは、読み手の年代に合わせて話の内容を変えるだけでなく、のび太くんの背を低く描くといった子どもたちに寄り添う姿勢も垣間見える。

 伊藤善章館長は「キャラクターが完成していく過程や発想の豊かさを感じてもらいたい」と話している。

 1期は来年1月30日まで。問い合わせは、同ミュージアム電話0570(055)245。

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