鉄道ファン「モハ1形」に別れ 箱根登山鉄道でイベント

引退したモハ1形に別れを告げる鉄道ファンらでにぎわったイベント会場=箱根登山鉄道入生田車庫

 1世紀にわたって走り続け、19日に最終運行を終えた箱根登山鉄道(小田原市)の「モハ1形」103号と107号のさよならイベントが20日、同市入生田の入生田車庫で行われた。引退車両の見学や撮影会が開かれたほか、寄せ書きコーナーも設けられ、鉄道ファンは思い思いに別れを惜しんだ。

 朝から会場入り口に長い列ができたため、開場時間を30分早めて午前10時にスタート。来場者は役目を終えた2両の車内を懐かしそうに見て回ったり、外観を撮影したりした。

 寄せ書きコーナーでは「非冷房で窓全開。これが楽しいんだな」「ありがとう。それ以上は言わない」など、モハ1形への感謝とねぎらいのメッセージがあふれた。全駅の入場券や車両カタログといった引退記念グッズや、オリジナルグッズも販売され、人気を集めた。

 東京都内から訪れた40代の男性会社員は「小学生のときに乗って好きになった。走行音が特徴的で、レトロな雰囲気がいい。こういう電車が姿を消していくのはさみしい」と話した。

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