「悩める学会員に届け」沖縄知事選で三色旗を振り、玉城デニーさんを応援した野原善正さん 東京選挙区から出馬 揺れる沖縄・創価学会

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創価学会のシンボル三色旗を手に選挙戦の第一声を上げる野原善正氏=4日、東京・新宿駅

 今回の参院選で、政治団体「れいわ新選組」の公認候補の野原善正氏(59)は、沖縄から出て東京選挙区から立候補している。創価学会員の野原氏は昨年の知事選で、同学会を支持母体とする公明党県本が支持する佐喜真淳氏ではなく、辺野古新基地建設反対を訴えた玉城デニー氏を応援した。東京選挙区には山口那津男公明党代表も立候補している。野原氏は「平和福祉の党という原点に戻ってほしい」とした。

 2018年9月30日夜、知事選の当選を決めた玉城氏が万歳した那覇市内の会場。その後方で青、黄、赤の三色旗がはためいた。創価学会のシンボルだ。

 旗を振っていたのが、浦添市の野原さん。選挙戦中もたびたび旗とともに玉城氏の演説に足を運び続けた。「悩んでいる学会員の気持ちに届いてくれたら」

 学会は「平和」を重んじ、学会を支持母体とする公明党沖縄県本は辺野古への新基地建設に反対の立場。野原さんは、県本も新基地反対を訴える玉城さんを推すべきだと思った。だが、県本は新基地の是非に触れない佐喜真氏を推薦。学会も組織を挙げ、佐喜真さんを支援した。

 知人らに佐喜真さんへの投票を呼び掛けた浦添市の学会員の女性(72)は「公明党、学会はすごく頑張った」と振り返る。県外からも多くの学会員が応援に入り、「本土から日帰りで来た人もいる」という。

 女性自身も「基地は反対ですよ」と語る。公明が自主投票だった前回は翁長雄志前知事に投票した。今回は佐喜真さんの「対立から対話へ」との訴えに共感した。「対立だけじゃ物事は進まない」。他の候補地が見当たらない以上、辺野古への移設もやむを得ないと考えた。

 沖縄タイムス、朝日新聞、琉球朝日放送(QAB)の知事選の出口調査では、公明党支持層の26.8%が玉城さんに投票した。学会員たちの選択は分かれた。

 「学会は辺野古反対!」。選挙戦中、そう記したステッカーが佐喜真さんの写真が載ったポスターに貼られていた。本島北部に住む学会員の30代女性は「学会員の気持ちも知らないで…」とため息をついた。

 表向き、学会員は選挙で誰に投票してもいい、と聞いていた。だが、女性が別の選挙で、公明党所属とは別の候補者を応援しようとすると、沖縄の学会幹部から「バチがあたる」と批判された。「学会員の多くは自分の意見を持っていても言葉にすることすらできない」。それでも声を上げている人がステッカーのせいで余計に苦しい立場に立たされると思い、剥がして回った。

 女性は新基地建設反対のため玉城さんに投票した。信仰熱心な家族は佐喜真さんを支持した。家族を否定するつもりはない。「お互い尊重し合うことが大切」と思うからだ。ただ、こう望む。「組織としてではなく、自分の意思でその人を選んでほしい」。1票の重みをかみしめている。
 

知事選での勝利を受け、拳を突き上げる玉城デニ-さん(手前左)。喜ぶ支援者の後ろでは創価学会のシンボル、三色旗がはためいていた=2018年9月30日夜、那覇市の教育福祉会館
野原善正氏