無実の外国人を不当に留置したのか 日本の警察の対応は国際問題に発展するのでは? 女子大生行方不明騒動

タイ人女子大生が日本で突如行方不明になったとのニュースが7月19日に報じられ、タイのSNSは一時騒然となりました。

このタイ人、ガラットペット・セートンさんは有名理系大学の建築・デザイン学部に通う女子大生で、東京の芝浦工業大学で7月8~16日に開催されたワークショップに参加するために来日していました。

ワークショップ終了2日後の18日、ガラットペットさんは一人で台東区蔵前の宿を出て日本に留学中の友人に会うために待ち合わせ場所の上野公園に向かったまま、約束の時間12時になっても姿を見せなかったのです。

12時以降、翌19日午前4時になってもLINEが全く既読にならないことから、タイの家族が動いて蔵前警察署に通報し、あわせて有名なタイ人向け日本観光案内Facebookページに協力を求めました。7時半に情報提供を求める投稿がされたことでタイ国内の各マスコミが一斉に報じて大騒ぎになったのです。

ガラットペットさんは10時頃の飛行機で日本を発ち帰国の途に就く予定でしたが、ワークショップに一緒に参加した友人が待つ空港にも現れません。家族がクレジットカード利用歴を調べても何も動きがなく心配が募る一方でした。

在東京タイ王国大使館にも11時過ぎに連絡が取れ、警察からはガラットペットさんが成人のため行方不明になってから24時間待たないとならないと言われたとガラットペットさんの姉が語っています。

そしてその24時間が経過して17時になったところでガラットペットさん発見の報が入りました。発見場所は……。

なんと警察署だったのです。身柄を拘束されて留置されていたのです。

ガラットペットさんの姉が言うには、パスポート不携帯で外出したからだろうとのことでした。

その後続報は一切報じられていませんが、身元もはっきりしていることから今頃はタイに帰国できているものと思われますが……。疑問なのは、なぜ警察はすぐに家族に連絡をさせなかったのかということです。

上野公園と言えば、ほど近い湯島にはタイ人女性のいるカラオケバーが多くあります。日頃から警察の巡回が多いのかもしれません。待ち合わせ場所に上野を選んだことが不運を招いたと言えそうですが、海外旅行に慣れていると家族が語る彼女がパスポートを持たずに外出したのがそもそもの失敗だったのでしょう。日本へ観光に来るタイ人一般への注意喚起となる騒動でした。(取材・文◎赤熊賢)

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