ハミルトン、新たなF1会場の選定にはドライバーの意見を取り入れるべきと主張

 ルイス・ハミルトンは、F1の首脳陣は新たな会場をカレンダーに加える前に、ドライバーらの意見を取り入れるべきだと考えている。

 5度のタイトル獲得経験を持つハミルトンは新会場でのレースを支持しているものの、スリリングなバトルを展開するという点においては、すべてのコースが同じポテンシャルを持っているわけではないと主張する。

 この問題の代表例としては、6月に行なわれたポール・リカールでのフランスGPが挙げられる。今季のフランスGPはF1史上、最も退屈なレースとして批判を浴びたが、その後に行なわれたオーストリアGPとイギリスGPは、順位が激しく入れ替わる熱いレース展開となった。

 当然、オーバーテイクに関しては現代のF1マシンやそれを取り巻く規則といった要素も絡むため、そうしたものがコース上でのバトルの質を決定づけるものとなる。

 しかし、良いレースは良いコースによって生み出される。そしてハミルトンは、よりよい開催会場を判断するうえで、ドライバー以上の存在はあり得ないと強く主張している。

「この競技の歴史から見て、おそらくドライバーがコース上でのことに助言を行なうという部分で、決定権を持っていたことはないだろう。でも、どのコースでオーバーテイクができて、どこではできないかということを誰よりもよく知っているのは僕らだ」とハミルトンはシルバーストンで語った。

「誰が選択をしているのかは知らないが、今後開催されるコースに選ばれたものの中には、素晴らしいレースにはならないだろう場所もある」

「人々は常に、どこのコースが気に入っているかを僕に尋ねる。ここ(シルバーストン)はそのうちのひとつだよ。なぜなら他のマシンに追いつくことができるから。高速で走れるところが壮観なんだ」

「追いつくことができなくて、電車のように連なって走るしかない場所もある。レースを開催するためだけに選ばれた国があるという状況と、こういった素晴らしいレースができる場所があるのと、どちらがいいと思う?」

「(後者を選ぶのなら)それぞれの国に対して、異なるオプションを考えていくことが必要だ」

 2020年、F1は35年ぶりにザントフールトへと戻ることが決まっている。F1に関する多くの歴史があるにもかかわらず、この会場の追加によってコース上におけるバトルの価値が大きくなるわけではないという、懸念の声も聞かれている。

 ハミルトンは、将来的にはグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)が、会場の選択や、現存するコースのレイアウト調整に関わることを望んでいる。

「僕らはアドバイスをするという部分で、関わることができる。F1をより良くしていくために、僕らはいるんだ」

「色々な国でグランプリを開催できることを嬉しく思っている。けれども、いくつかのサーキットで何かを変更したり採用する場合や、その国の中で違うサーキットを使うという点においてオープンな姿勢でいてくれるなら、僕らはそうした部分にも目を向けるべきだ」

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