改憲勢力3分の2割れ 長崎県内の反応

©株式会社長崎新聞社

 21日投開票された参院選で、憲法改正に前向きな「改憲勢力」は国会発議に必要な3分の2議席を割り込んだ。県内の護憲派は好意的に受け止めつつも警戒心を解いておらず、改憲派は選挙結果にかかわらず議論を進めるよう求めている。
 県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(79)は「野党共闘が一定奏功した。有権者が改憲に危機感を抱いていることの表れではないか」と分析。一方で「自公で改選議席の過半数を獲得したことを手柄として、安倍首相が強引に議論を進めるのではないか」と危ぐする。
 対馬市上対馬町の自営業、武末俊紀さん(65)も、首相が一部野党に接近する姿勢を示したことから「数の力で改憲に突き進むのではないか」と心配する。今回の参院選は老後の不安などが主要な争点だったとして「改憲よりも年金制度改革などに取り組むべきだ」と注文をつけた。
 これに対し、元陸上自衛官の60代男性は低投票率だったことを踏まえ「3分の2に届いたかどうかだけで改憲論議をどうするか判断すべきでない」と指摘する。自衛隊は「戦力」でありながら、長く中途半端な位置に置かれてきたとして「自衛隊関係者の悲願として、憲法に明確に位置付けてもらいたい」と訴えた。
 長崎の原爆展示をただす市民の会の渡邊正光代表(82)は3分の2に届かなかったことについて「残念」としつつも、「安全保障を中心に国の根幹にかかわる問題。野党も腹を割ってオープンに議論してほしい」と求めた。