野党共闘は「不発」

高橋人気、自民に追い風

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道選挙区 座談会

 第25回参院選道選挙区(改選数3)は、自民の高橋はるみと岩本剛人、立民の勝部賢志の新人3氏が初陣を飾った。激しい舌戦が繰り広げられた選挙戦について、選挙総括担当と各陣営担当の各記者らが振り返った。
(敬称略、参院選取材班)

 A 「与野党どちらが改選過半数を取るか」が注目された道選挙区。自民が2議席を取った。
 B 3年前の雪辱を果たした。高橋はるみの知名度はやはり絶大だったね。
 C 岩本剛人は、連立与党の公明党、企業・経済団体などの手厚い支援を受けた。公明党道本部幹部も「岩本氏の支援に全力を傾けた」と力説したよ。
 D 知事の鈴木直道との連動も当選の要因だ。第一声から投開票日まで、いち早く駆け付けて「蜜月」ぶりをアピールしていたよ。
 B 自民2議席獲得は連立与党の連携が奏功し、「組織力の勝利」(陣営幹部)といった底力ともいえる。
 A 非自民は明暗を分けたね。
 E 勝部賢志は連合北海道のうち、出身の北教組など、官公庁労組中心の旧総評系が全面的に支援した。
 B もともと、旧総評系は道内は強い。さらに、憲法9条改正に反対する姿勢も明確にした。改憲反対派の支持も集めたね。
 F 原谷那美は、生活者目線の政治を実現する重要性を訴えたが、知名度不足は否めなかったよ。
 E 連合北海道のうち、民間企業の労組などの旧同盟系が支援に回ったが、「(国民民主は)できたばかりの政党。選挙慣れしていない」(立憲民主党道連幹部)結果が、そのまま出ちゃったね。
 G 畠山和也は共産の支持者層を固め、政権批判票も掘り起こした。前回の党公認候補者の得票を約2万5千票も上積みした。
 B 結局、国民民主は立憲民主の影に隠れた。共産を含めた野党共闘は「不発」だったね。
 A 自民党は「大勝利」と額面通りに受け取っていいのかい?
 C いや、高橋と岩本の得票差に、厳しい表情を見せる幹部もいたよ。自民党道連は「高橋は安泰。10対0で岩本に」とした支援態勢だったが、得票差を見る限り、その思惑は見事に外れた。
 D 今年4月の道知事選で残した「一部道議らの反鈴木のわだかまり」は、まだ解消し切れていないのだろう。
 C 自民関係者の中には、野党共闘の「不発」に加え、知名度がある高橋が抜け出してくれたからこそ、2議席を獲得できた―と評する人もいるよ。
 B 厳しい見方をすれば「無党派層、特に女性の高橋人気」といった追い風に乗っただけ、だね。
 A 非自民については?
 D 全国的にみても立憲民主が一人勝ち。北海道でも同様だった。
 B 立憲民主党道連、国民民主党道連、連合北海道、北海道農民政治力会議による民主連絡会は、知事選に続く連敗。選挙担当は結果責任を問われるだろう。
 G 共産は比例候補を当選させる兼ね合いから、公認候補を擁立する独立独歩の選挙戦だった。
 F 道内の非自民各党は、来るべき衆院選に備え、共闘や枠組みのバランスなど、一考しなければいけない情勢だね。

経済や社会保障しっかり

胆振有権者 要望さまざま

国政にさまざまな要望が寄せられた参院選=21日午後9時25分、室蘭市体育館

 憲法改正や消費増税が主な争点となった今回の参院選。胆振地方の有権者からは今後の国政について、多様な声が上がった。経済や社会保障、労働問題を不安視する人も多く、国政のかじ取りを任される当選者には厳しい視線が向けられそうだ。

 室蘭市高砂町の主婦、宮本久美さん(64)は「10月に消費増税を控え、生活がどのように変わるのか想像できない。老後の資金が2千万円必要だといわれたり、年金や憲法改正など今後の日本に不安が募るばかり。孫の代まで安心して暮らせる世の中にしてほしい」と願った。

 室蘭市水元町の会社員、市倉基さん(27)は「消費増税後の経済対策を進めるべき。東京五輪が終われば景気も落ち込む。年金など社会保障は20~30年後にはどうなるのか。安心して将来設計できるよう、これからの日本のあるべき姿を示して」と訴えた。

 登別市幌別町の鳴海文昭さん(72)は母が北方領土の国後島出身。「一度でいいから故郷へ行ってみたいと亡くなる前に病床でよく話していた。お墓もまだあるだろう。今の政治には何とか北方領土問題を解決して返還に導いてほしい」と期待した。

 登別市鷲別町の会社員、新松浩之さん(48)は「幼いうちから選挙に関心を持たせたい」と子ども2人を連れて投票所入り。「候補の演説を聞いたが具体的な政策が見えにくかった。当選者には、現場の声をよく聞いて生活面向上に努めてほしい」と要望した。

 伊達市弄月町の会社員、武田将大さん(28)は「社会全体で見て人手不足と長時間労働はまだまだ是正する必要がある。世界的な基準と照らし合わせても改善の余地があると感じている。これまで以上に積極的に取り組んでほしい」と望んだ。

 苫小牧市美園町の会社員、加藤幸作さん(59)は「大きな争点にはなっていなかったが国の安全をしっかり守ってほしい。国際情勢が混とんとする中、自国を守る方策について国会で議論を進め、国際社会と協調して平和な世界を築くために貢献するべきだ」と行動を求めた。