三浦の南下浦市民センターが複合施設に 23年使用開始

子育て賃貸住宅との複合施設に建て替えられる予定の南下浦市民センター=三浦市南下浦町上宮田

 三浦市は、老朽化する南下浦市民センター(同市南下浦町上宮田)を、子育て世代向けの賃貸住宅との複合施設に建て替える。市内への移住や定住を促し、人口減に少しでも歯止めをかけるのが狙い。センターの機能も現在の水準を維持する。市は10月に実施方針を公表する予定で、2021年春にも着工、23年1月の使用開始を目指す。

 センター(延べ床面積約1200平方メートル)は1978年9月、完成。市民交流拠点や市役所出張所、図書館分館などの機能を持つ。

 市は2015年10月に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、人口増加策の一つとして子育て賃貸住宅を検討するとし、候補地のうち、京急線三浦海岸駅から近いセンター用地に複合施設として建設することを昨夏、決めた。

 賃貸住宅は若年の子育て世代が対象で、主に2DK計30戸を整備。建て替えには民間資金活用による社会資本整備(PFI)を導入することを検討している。

 一方、現在約80の団体が登録するセンターの機能は維持する。利用者の声を建て替えに反映するため、6月末までアンケートを実施。さらに市内に住み続けたいと思える住まいやコミュニティーを実現するための新たな機能も加えるとしている。

 さらに周辺一帯が、徳川幕府から命じられた彦根藩主が三浦半島警備のために置いた軍政拠点「海防陣屋」の跡地でもあるセンター敷地内には、跡地を示す石碑などが建立されており、市は保存を基本軸に、市民や事業者の意向も踏まえ、その方法を決める。

 市は実施方針公表後、20年中に事業者を公募して事業契約を結び、工事を経て、22年12月に建て替えを完了させたい考えだ。事業期間は20年程度を想定している。

 センターの松井住人館長は「人が集まり交流する拠点として、建て替えて良かったと利用者に思ってもらえる施設にしていければ」と話している。

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