県大会「6連覇」小6柔道少女 松本に「柔道4きょうだい」 長野・松本市

長野県松本市に日本一を目指す「柔道少女」がいる。6月の県大会で優勝した小学6年の鈴木ケイさん、1年生の時から優勝し続け、これでなんと「6連覇」。実は兄と姉、そして妹も県大会の優勝経験があり4人はまさに「柔道きょうだい」。切磋琢磨して頑張っている。

松本市の「滴水館道場」。小中学生およそ30人が練習に励んでいる。ひときわ鋭い技を見せているのが、小学6年生の鈴木ケイさん(11)。妹で3年生の絆さん(9)と一緒に毎日のように汗を流している。

(鈴木ケイさん)「相手を投げた時の気持ち良さが、練習している時に頑張ろうと思えるところ」

(妹・絆さん)「負けても勝っても声を出せばいいって先生に言われたので、声を出すことを頑張っている」

実はこの2人、小学生では県内最強とも言える「柔道姉妹」。

ケイさんは6月、「県少年・少女柔道チャンピオン大会」の小6女子・54キロ級に出場。得意の内股を武器に、オール一本勝ちで大会を制した。1年生の時からこれでなんと「6連覇」。去年から5年生以上が出場する全国大会も経験している。

(鈴木ケイさん)「全国大会で勝てないと県大会で優勝した意味がないから、県大会としては良かったけど、これからまた頑張っていきたい」

(滴水館道場・西川陽一代表)「(強さの理由は)しっかり練習すること。一番努力している。一戦一戦、上位を目指してやってもらいたい」

妹の絆さんも小3女子の部で優勝。ケイさんと同じく1年生の時から優勝し、只今「3連覇中」。

(妹・絆さん)「押さえ込みで勝ったので、嬉しかったけど一本勝ちできなくて悔しかった。お姉ちゃんみたいに6連覇して活躍するところまで柔道をあきらめたくない」

なぜ、これほど強いのか。実は鈴木家は柔道一家。2人の上にも兄と姉がいて両親の影響で4人とも小さい頃から畳の上に立つようになった。ケイさんは柔道を3歳から始めた。長男の明日さんは中3で県大会を制して全国中学大会に、高校生になって去年はインターハイに出場した。長女の直さんも中1と中3で全中に出場するなど4人とも実力者ぞろい。それぞれの活躍が刺激になっている。

(鈴木ケイさん)「妹・兄・姉が優勝したりすると、自分も負けていられないと思って、次の日とかすごい気合が入る」

自宅の庭でもトレーニング。指導するのは父親の正隆さん(46)。正隆さんは警察官で現役の県警ヘリのパイロット。柔道歴はおよそ15年で稽古の相手をしながら、子どもたちの成長を見守っている。

(父・正隆さん)「私自身生きがいで、子どもの柔道を応援するのが人生の楽しみ。(ケイさんとやったら勝てる?)負けはしません。警察官の誇りにかけて負けるわけにはいかない。多分、中学生になったらかなわない。今だけですね、一緒に出来るのは」

(母・久美子さん)「(大会では)負けると思っていないので楽しく見てます。誰よりも努力しているのを見ているので、ほんと頑張っています」

兄も姉も成しえなかった県大会6連覇を果たしたケイさんは8月、全国大会に出場する。初めて出場した去年は、緊張で実力を出し切れずベスト8に留まり、「今年こそ」と意気込んでいる。

(鈴木ケイさん)「声出して、自分の柔道をして、自分の力を出し切って日本一になりたい」

(鈴木ケイさん)「将来の夢は、オリンピックで金メダルとって活躍すること。今年、日本一になることが将来につながると思う。自分の足りない所を練習して、もっともっと強くなりたい」

(兄・明日さん)「一生懸命、練習頑張ってもらって、けがをしないように、優勝してもらいたい」

(妹・絆さん)「緊張しないで頑張ってほしい。大きな声出して勝つことだけ考えてお姉ちゃん応援したい」

(父・正隆さん)「期待しています。ただ勝負は時の運だと思うので、頑張って応援したい」

柔道一家から日本一の選手を。みんなの期待を背負ってケイさんは大舞台に挑みます。

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