コミックと映画でこんなに違う!スパイダーマンとヒロインの関係

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「アメイジング・スパイダーマン」の2作でグウェンを演じたのはエマ・ストーンだった

これまでいくつものスパイダーマン映画が公開されてきたけれど、スパイディー=ピーター・パーカーが付き合ってきた恋人がMJ だったり、グウェンだったり、オリジナルではどうなっているの? ということでピーターと女性キャラたちの関係を原作コミック版と映画版で比べてみよう!(文・紀平照幸/デジタル編集・スクリーン編集部)

スパイダーマン最愛の女性

MJ

スパイダーマン=ピーター・パーカーのガールフレンドとして、まず最初に名前が挙がるのが〝MJ〞ことメリー・ジェーン・ワトソンだろう。ピーターの同級生にして憧れの人。卒業後は女優の道を歩み、やがては彼と結婚することになる。コミックでは赤毛で描かれることが多い。実は家庭的にはかなり不幸な生い立ちで、両親は父親の家庭内暴力が原因で離婚していて、姉がいるもののやはり夫に棄てられて彼女のもとに転がり込んできたりして、常にトラブルを抱えているのだが、映画ではそこまで深く踏み込んではいない。

キルステン・ダンストが演じたMJ(「スパイダーマン」より)とスパイダーマンの雨の中のラブシーン

トビー・マッガイア版の三部作でキルステン・ダンストが演じたMJは比較的原作に忠実で、ピーターの幼なじみとして登場。やはり女優志願で、ブロードウェイ・デビューも果たしている。恋多き女性で、様々な男性との交際の後にピーターと付き合うというのもコミック版に準拠。映画でもハリー・オズボーンとデートしたり(「スパイダーマン」)、ジョン・ジェイムソン(ピーターの仕事相手デイリー・ビューグル紙の編集長J・ジョナ・ジェイムソンの息子)と婚約したりした(「スパイダーマン2」)後に、最終的にピーターを選んでいる。

ピーターの親友ハリーとも仲が良いMJ(「スパイダーマン3」より)

アンドリュー・ガーフィールド版の「アメイジング・スパイダーマン」シリーズにMJは未登場。しかし3作目以降が作られれば出ることになっていて、「ダイバージェント」のシャイリーン・ウッドリーがMJ役に選ばれ、実際に「アメイジング・スパイダーマン2」の撮影にも参加していたが、長すぎる(完成版は2時間22分もある)こととピーターとグウェンの関係にドラマを絞った方がいいという理由から、彼女の出演場面はカットされてしまった。

一時は他の男性と婚約してしまったMJ(「スパイダーマン2」より)

なおアニメの「スパイダーマン:スパイダーバース」の中では、マイルス・モラレスの世界でも、ピーター・B・パーカーの世界でも、ピーターとMJは結婚していた(中年ピーターは離婚されていたけれど…)。

トム・ホランド版の〝MJ〞はメリー・ジェーンではなく〝ミシェル・ジョーンズ〞の略。ゼンデイヤが演じるMJは容貌も性格も今までのMJとはまったく変えられているため、違う世界の物語として楽しめるようになっているのだ。だから、この先二人がどうなっていくのかはわからない?

悲劇のヒロイン

グウェン・ステイシー

そのMJと付き合う前にピーターの恋人だったのが、グウェンドリン〝グウェン〞・ステイシーだ。ピーターにとっては最初に心から愛した女性ということになる。コミックでは大学の同級生として初登場。髪の色はブロンドで描かれる。

「スパイダーマン3」で演じたブライス・ダラス・ハワード

映画では「スパイダーマン3」でブライス・ダラス・ハワードがグウェンを演じた。ピーターとは大学の研究室(なんと担当教授はカート・コナーズ、つまり後のリザード!)の同僚という設定で、ビルから転落しそうになったところをスパイダーマンに救助され、彼に恋心を抱く。しかし、深い関係になることはなく(MJの嫉妬を煽っただけ)、あっさりと退場してしまった。この映画でヴェノムになるエディ・ブロック(トファー・グレース)がグウェンに片想い中だったため、彼のスパイダーマンへの憎しみを増幅させる結果にもなっている。

「アメイジング・スパイダーマン」の2作でグウェンを演じたのはエマ・ストーンだった

一方で「アメイジング・スパイダーマン」2作でエマ・ストーンが演じたグウェンは原作コミック通りの運命をたどる。父親で警官だったジョージ・ステイシーの悲劇的な死を乗り越え、スパイダーマンの正体を知ってもなおピーターと相思相愛になるが、グリーン・ゴブリンによって殺害されてしまうのだ。高所からの転落、スパイダーマンによる間一髪の救助、しかしそれも結局間に合わず…という展開は、まさに原作そのまま。原作ではグウェンの死を悲しむピーターをMJが慰めたことで二人の関係が深まっていくので、シリーズが続けばそんな場面も見られたのかもしれない。

ところで、コミック版ではクローンとして復活したことがあり、マルチバースの中には彼女が死ななかった世界も存在する。

「スパイダーマン:スパイダーバース」に登場するスパイダーグウェン

アニメの「スパイダーバース」に登場したのはスパイダーグウェン(声:ヘイリー・スタインフェルド)。彼女の世界では特殊なクモに噛まれてスーパーパワーを得たのはグウェンの方で、逆に恋人のピーター・パーカーが死亡している。

彼女は愛する人を救えなかったことで他者に対して心を閉ざしていたが、マイルスらと共闘することによって仲間を思う気持ちを取り戻していくのだ。なお、このスパイダーグウェンはコスプレイヤーに非常に人気の高いキャラクターなので、単独主演作や実写化作品が作られる可能性も…。

その他のガールフレンドたち

さて、実はピーターが付き合ったガールフレンドは、この二人だけではない。原作コミックではグウェンは3番目、MJは4番目の恋人で、彼女たちと出会う前にもピーターにはデートの相手がいたのだ(意外にモテ男?)。

最初のお相手はベティ・ブラント。デイリー・ビューグルの秘書で後に記者になった女性。サム・ライミの三部作ではエリザベス・バンクスが演じていて、特にピーターとの恋愛は描かれていない。原作では、普通の男が好きなのになぜかヒーローやヴィランたち(ホブゴブリンやエージェント・ヴェノム)と付き合うことになってしまう、気苦労の絶えない女性という設定だ。

ベティはピーターがスパイダーマンとは知らず、普通の人だと思ってデートしていたのだが、ちょうどその頃、ピーターは高校の同級生だったリズことエリザベス・アランと再会、リズがピーターを好きになったことで三角関係に発展したりもした。

ここで、〝あれ?どこかで聞いたことのある名前だな…〞と思った方もいるかもしれない。そう、このリズとベティの二人、ミッドタウン高校の生徒として「スパイダーマン:ホームカミング」に登場しているのだ。ただし、リズはアランではなくリズ・トゥームスになっている。演じたのはローラ・ハリアー

「ホームカミング」でピーターの憧れだったのはリズ(ローラ・ハリアー)

リズはピーターも所属する学力コンテスト・クラブのリーダーで、彼の片想いの相手。努力の甲斐あって、ホームカミング・パーティーのお相手に誘うことに成功するが、彼女の父エイドリアンは、なんとヴィランのバルチャーだった!こうしてピーターの初恋はもろくも終わってしまった…。

そして、こちらの映画世界でのベティ(アンガーリー・ライス)はミッドランド高校の学内放送のパーソナリティー。

「ファー・フロム・ホーム」で再登場するベティ(左、アンガーリー・ライス)

彼女もピーターとの関係はあまり描かれず、ホームカミング・パーティーではフラッシュ・トンプソンのパートナーだったし、「ファー・フロム・ホーム」ではネッドと仲良くなる姿が描かれている。どうやら新シリーズでは、過去に登場した人名やキーワードを使いながらも、まったく別の方向に進めていこうとしているようで、ますますこの後の展開が楽しみになってきた。

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