”オランダの逸材”デ・リフトのプレースタイルは現代サッカーの象徴

19歳と若くしてアヤックスのキャプテンやオランダ代表としてプレーしているDFマタイス・デ・リフト。オランダの逸材と言われた若武者は、イタリアの名門ユベントスへと移籍を果たしました。オランダの逸材と言われているデ・リフトとは、一体どのようなプレーヤーなのかをわかりやすくまとめてみました。

2018-2019シーズン、オランダの古豪アヤックスは他のどのチームよりも輝いていた。レアルマドリードやユベントスといった強豪を倒し、チャンピオンズリーグベスト4進出。2004-2005シーズンのPSV以来、実に14年ぶりのオランダ勢のベスト4進出は大きな話題を呼んだのも記憶に新しい。

躍進したアヤックスの中に一際輝いた1人の若武者がいた。その名は「マタイス・デ・リフト」。19歳にしてアヤックスのキャプテンであり、オランダ代表のレギュラーを務める逸材。2019-2020シーズンからユベントスへ活躍の場を移すことが決定。

今回この記事では、かつてカテナチオと呼ばれたイタリアの地に挑戦するデ・リフトの生い立ち、特徴、プレースタイル、など思う存分まとめていきたい。

デ・リフトの経歴と成績 今のプレースタイルは小さい頃に見ていた選手のおかげ!?

マタイス・デ・リフトは1999年8月12日にライデルドルプで誕生。アヤックスのアカデミー出身。幼い頃からセリエAを見て育ったデ・リフトは、マルディーニ、カンナバーロ、ネスタらの豪華イタリア代表DFを見て心を奪われたのだそう。

幼い頃から豪華DF陣を見てきたこともあってか、自身のプレースタイルもどこかイタリアらしいディフェンスの仕方が目立ちます。

2016-2017シーズンからヨング・アヤックス(アヤックスのリザーブチーム)でプレーし、翌2017-2018シーズンにトップチームデビューを飾る。そのシーズンは33試合出場3ゴールとレギュラーとして活躍しました。

翌2018-2019シーズンは19歳にしてチームキャプテンに就任を果たし、チームをまとめ上げる中心的存在として33試合出場3ゴールを記録。アヤックスのリーグ&KNVBカップ2冠達成の大きな原動力として躍動し、2019-2020シーズンからはイタリアの名門ユベントスへ移籍が決まっています。

デ・リフトのプレースタイルや特徴とは!? デ・リフトのここを見よ!

弱冠19歳にして、ベテランのような雰囲気を醸し出すデ・リフト。イタリアに惚れ込んだ”逸材”のプレースタイルや特徴に迫っていきます。

デ・リフトのここを見よ! ①ポジショニングの上手さ

一番最初にデ・リフトのプレースタイルとして説明したくなるのはポジショニングの上手さでしょう。決して足が早い選手ではありません。しかし鋭い読みからくるポジショニングの上手さは、相手の攻撃の芽を次々に潰していきます。

相手の先を読んだインターセプト、ドリブルに対する守備、クロスボールに対する守備。どれを取っても一級品のデ・リフト。ディフェンダーとしてほしい能力をデ・リフトは全て兼ね備えていると言っても過言ではないでしょう。

また、ポジショニングで勝負するプレースタイルは、マルディーニ・カンナバーロ・ネスタなどを彷彿とさせるあたり、子供の頃に見ていたイタリア代表DF陣の影響が大きくあるようです。

デ・リフトのここを見よ! ②足元の技術

次にデ・リフトのプレースタイルとして挙げられるのは足元の技術でしょう。189cm89kgと大型にも関わらず、オランダ人特有の足元の柔らかさは現代のディフェンダーのプレースタイルそのものです。

長短のパスを使い分けた確実なビルドアップ能力、カットしたボールを正確に繋ぐ能力、ドリブルでチャンスメイクし味方のゴールをアシストする能力。どれを取ってもセンターバックのプレースタイルとは思えないほどハイレベルにこなします。

センターバックだけではなく、中盤の底もできるプレースタイルはユベントスでも重宝されること間違いなしですね。

デ・リフトのここを見よ! ③気持ち溢れるプレー

最後にご紹介するのは、気持ち溢れるプレースタイルです。19歳とまだまだ若いデ・リフトですが、アヤックスのキャプテンに任命。リーダーシップが取れるファイターとしてチームを1つにまとめていました。

最後尾から大きな声を出し、コーチングする姿。顔に怪我をしてても突っ込むど根性精神。そしてファンを盛り上げる統率力。など19歳とは思えない気持ち溢れるプレースタイルがファン・サポーターの心をグッと鷲掴みにします。

現に、優勝報告に押し寄せたアヤックスサポーター10万人を挨拶だけで熱狂の渦に巻き込んでいることから、デ・リフトがリーダーに相応しい人格者であることがわかりますよね。

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デ・リフトのプレースタイルはユベントスにピッタリ!?

2019年7月18日(現地時間)に公式発表された、デ・リフトのユベントス移籍。FCバルセロナ、マンチェスターユナイテッド、パリサンジェルマンなど数多くのビッグクラブがデ・リフトの移籍先として浮上していましたが、ユベントスを選択。YouTubeライブで放送された入団会見は、クラブから大きな期待が寄せられている証しでしょう。

移籍金 7500万ユーロ(約94億円)

年俸  750万ユーロ(約8億4000万円)+ボーナス450万ユーロ(約5億4000万円)

と破格でのユベントス移籍となったデ・リフト。10代で移籍金90億円オーバー、年俸もボーナスを含めると約14億円近く、ユベントスにとってかなりの高額なお買い物となりました。(10代での移籍金はもちろん1位)

しかし、ユベントスのディフェンダー陣はキエッリーニが34歳、ボヌッチが32歳と高齢化が進んでいる状況で、期待の逸材を獲得できたのは大きいですね。また、ユベントスは後ろから繋ぎ、相手を崩していくサッカーをするプレースタイルということもあり、馴染むのにも時間はそうかからないはずです。

個人の能力では申し分ないデ・リフト。新たに就任したサッリ監督の目指す戦術やプレースタイルを理解することができれば、早期のレギュラー獲得も十分に考えられます。

個人的には、足元のプレーが得意な新加入組であるアーロン・ラムジー(アーセナル)、アドリアン・ラビオ(パリサンジェルマン)との連携にも注目しています。ラムジーとラビオと連携を取りつつ、センターバックながらオーバーラップを仕掛けるデ・リフトが見られるのではないでしょうか?

まとめ

ここ2年で大きく成長したオランダの逸材 マタイス・デ・リフト。彼のプレースタイルは、「ポジショニングの上手さ」、「足元の技術」、「気迫溢れる気持ち」から成り立っています。現代のディフェンダーらしいと言えばらしいですが、その中でもハイレベルで何でもこなしてしまうプレースタイルは誰にも真似できません。

エールディビジやカップ戦の優勝を引き下げユベントスに加入したデ・リフト。アヤックスで成し遂げることができず、そしてクラブの悲願でもあるチャンピオンズリーグ優勝を目指し、19歳の若武者はイタリアの地で羽ばたきます。

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