【特集】国公立大学卓球日本一を決める“もうひとつのインカレ” 「全国公」開幕迫る

写真:男子団体2連覇の高知工科大学/提供:国公立大学卓球連盟

8月20日から23日にかけてサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で、第59回全国国公立大学卓球大会、通称「全国公」が開催される。

北海道から沖縄まで全国の国公立大学85校、総勢1400名超の選手によって男女団体戦、男女シングルス、男女ダブルスの6種目が争われる「全国公」は、国内でも有数の規模の大会となる。同じく夏季に開催される全日本大学総合卓球選手権大会(通称インカレ)に匹敵するほどで、全国公は「もうひとつのインカレ」とも言われている。

また、高知工科大学や新潟大学などのインカレ出場校や、全日本選手権などにも出場経験のある選手も参加し、大会のレベルが高いことも特徴に挙げられる。中でも、優秀な成績を収めた選手は、ブンデスリーガ有数の実力チームがあるデュッセルドルフ等のヨーロッパ遠征や、卓球研修会への参加が認められる。

入場料は無料で、大会参加者以外の観戦も可能。国公立大学を目指している高校生卓球部員にとっては、大学卓球のリアルを直接目に焼き付けられる数少ないチャンスだ。

団体戦の高知工科大学の牙城を崩すのはどの大学か

写真:男子と共にアベック優勝を果たした高知工科大学/提供:国公立大学卓球連盟

2018年度の大会では、男女シングルス・団体戦共に新潟大学と高知工科大学の上位進出争いとなり、男子団体では高知工科大学が連覇を達成。近年では東北大学や神戸大学も準優勝を経験し、京都大学や大阪大学といった難関大学もベスト8以上の成績を収めており、まさに文武両道といえる。特に神戸大学は、5月の関西学生リーグで2部全勝を果たし、1部昇格をして勢いに乗っている。今年は高知工科大学を破り、優勝できるか期待だ。

女子団体でも高知工科大学が安定感のある強さで驚異の7連覇中だ。新潟大学は個人戦では栄冠を手にしても、団体戦では準優勝に甘んじている。トップ2校を大阪大学や神戸大学、広島大学が追い上げる形だ。高知工科大学が8連覇するのか、新潟大学が意地を見せるのか、はたまた両校を追い上げる他大学が一矢報いるのか必見だ

個人戦で新潟大学と高知工科大学の2強を破る選手は現れるのか

写真:男子シングルス2連覇の佐藤悠樹(新潟大学・左)と女子シングルス優勝の永目真唯(新潟大学)/提供:国公立大学卓球連盟

個人戦では、久しく新潟大学と高知工科大学が、全種目のベスト4以上の座を譲らない

一時は新潟大学が男子シングルスベスト4を独占していたが、近年では高知工科大学が優勝する大会もあり、両校の実力は拮抗している。一方で、東京大学や広島大学からは過去にシングルス優勝選手を輩出しており、ダブルスでも好成績を残した選手がいる。また昨年は、北海道大学や九州大学などの旧帝大からベスト16まで勝ち残った選手もおり、トップを争う2校を追う各大学は、団体戦以上に群雄割拠となっている。新潟大学や高知工科大学を破り、表彰台に上る選手が生まれるか見物だ。

文:ラリーズ編集部

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