釣りで遭遇しがちなアブ
アブとは体長2センチほどのハエを大きくしたような見た目の昆虫で、日本全国に分布し、人や動物の血を吸う種も多く存在します。
水田や川、湿地などでよく見られるため、水辺で釣りをしている釣り人が被害に遭う確率は比較的高めです。
アブに刺されると
出典:PIXTA
アブのメスは鋭い口で皮膚に傷をつけて出血させ、血を舐めます。
蚊やアブに比べて体が大きいため、まとわり付かれるとすぐに気付くことが出来ますが、執念深く狙ってきたり集団で襲われたりして防ぐのが困難な場合も。
血を吸われた患部は痛みや腫れ、強い痒みに襲われます。症状が酷い時には2週間も長引いてしまうケースがあるようです。
日本に生息するアブは100種にも及ぶ
日本に生息するアブは100種類程度と言われ、吸血性のものだけで10数種類が存在しています。
吸血性のアブと吸血性ではないアブに分け、主な種類をご紹介しましょう。
血を吸うアブ
ヤマトアブ
北海道から九州まで広く分布する体長1.7~2.3センチ程度のアブです。全体的に褐色を呈し、7~9月頃に良く見られます。
ウシアブ
北海道から九州まで広く分布し、体長1.7~2.5センチ程度のハエに良く似た見た目のアブです。6~9月頃に良く見られ、緑色の複眼をしています。
アカウシアブ
北海道から九州まで広く分布する体長2.3~2.5センチ程度のアブ。
体色は黄色が目立ち、一見、ハチに似た見た目をしています。6~8月頃に見られます。
シロフアブ
北海道から九州まで広く分布する体長1.5~2.0センチ程度のアブで、黒っぽい色をしており、背面に白っぽい三角の模様が並んでいます。
活発的に活動するのは、6~9月頃です。
その他にも……
メクラアブ属、ゴマフアブ属、イヨシロオビアブ、キンイロアブなどがおり、どのアブも春から秋にかけて活発になります。
血を吸わないアブ
ハナアブ
日本全国で見られ、ハナアブ科に属する昆虫だけで400種ほどが確認されています。
4~25ミリ程度の大きさでハチに似た姿のものが多く、実はアブの仲間ではなくハエの仲間なのだとか。
ミズアブ
日本全国に分布する、体長2~28ミリの細長く黒っぽい見た目のアブ。
生ゴミや汚水などの汚れた環境で見かけることの多い種で、堆肥の生産に活用されることもあるようです。
ムシヒキアブ
日本各地に分布しており、体長は17~50ミリ程度。
ムシヒキアブ科の昆虫だけでも様々な容姿のものが存在しますが、総じて昆虫をエサにするのが特徴です。
その他にも……
ヒラタアブ、ツリアブ、シギアブなど日本国内には多様な種が生息しており、春から秋頃まで活発になります。
アブに刺された時の処置方法
掻いちゃ駄目です!
アブに吸血された時は、掻かないことが第一です。
患部を掻いてしまうと、症状が長引いてしまったり、広がってしまったりする要因となります。
ポイズンリムーバーで毒素を吸いだす
アブに咬まれたら、市販のポイズンリムーバーなどの毒素を患部から吸いだすアイテムを使ってみましょう。
出来るだけ速やかに、毒素が広がってしまう前に使うのがポイント。
流水で洗う
患部は流水でよく洗い流して清潔にしてください。
痒みや痛みが和らぐようなら、氷などで冷やしても良いかもしれません。
抗ヒスタミン軟膏を塗る
温める・冷やすという処置の効果は一時的です。
我慢できない痒みには、市販の軟膏を活用しましょう。
アブ対策にはコレ
虫除けスプレーを購入する際は、アブにも対応するものを選びましょう。足首やスネ、首など、肌が露出する部分を重点的にスプレーしておくと良いでしょう。
また、アブは黒や茶といった暗色形の色に寄って来やすいようです。さらに、動くものや、車の排気ガスなど熱を発するものに寄って来る傾向があります。
▼ サラテクト 虫よけスプレー 無香料
肌にスプレーする虫除け。蚊の虫除けスプレーと同じ感覚で使えます。アブだけでなく、蚊やマダニなどにも効果があるのが嬉しいですね。
▼ 森林香
虫が嫌がる匂いで虫避け。蚊取り線香のように殺虫効果はありませんが、強力です。長時間の釣りに持っておくと安心でしょう。
▼ エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型 【2018年改良版】
アブに刺されてしまった時に患部から毒素や細菌などを吸い出すキットです。患部の大きさに合わせて使えるのは便利ですね。
我慢できない痒みに、ステロイド・抗ヒスタミン系の軟膏が効果的。薬局の薬剤師さんに相談して選ぶのもオススメです。
アブ対策バッチリ!
釣りの最中にアブにたかられると、釣りどころではなくなってしまいますよね。
明るい色の長袖シャツを選んだり、スプレーや線香などを活用したりしてアブ対策をすることが釣りを快適なものにしてくれそうです。