世界へフジサワ発信 五輪まで1年、立石さんも盛り上げ

五輪1年前公開記者会見で市民の幅広い参加を呼び掛ける立石さん(左)と鈴木市長=藤沢市

 2020年東京五輪・パラリンピック開催まで1年となった24日、江の島でセーリング競技が行われる藤沢市では、鈴木恒夫市長と同市出身でロンドン五輪の競泳銅メダリストの立石諒さんによる公開記者会見が行われた。市が昨年立ち上げた市民応援団「藤沢ビッグウェーブ」の登録者約250人が集結し、会員制交流サイト(SNS)などを通じて五輪開催都市として湘南・藤沢を発信した。

 開催1年前の節目を捉えた公開会見は、地元での五輪開催の機運を市民の間に醸成するとともに、市民の力で市のこれまでの取り組みと今後の展開を全国、そして世界に広めてもらう狙い。

 登壇した立石さんは五輪開催へ向けた抱負を「結(むすぶ)」という文字に込め、「藤沢は世界一地元愛が強いと思う。海外からやってくる選手が気持ちよく過ごす環境づくりは藤沢にしかできない」と、セーリング競技成功への思いや藤沢に対する誇り、愛着の大切さを強調した。

 会場に詰めかけた藤沢ビッグウェーブの登録者は、立石さんがメッセージを伝える様子をスマートフォンなどで盛んに撮影。以前から動画投稿サイト「ユーチューブ」で藤沢の魅力を発信している八幡諭さん(41)は会見を早速配信。「五輪は藤沢を世界に知ってもらう、絶好の機会。海の藤沢だけでなく、山側も含め全域の魅力を伝えていきたい」と話した。

 五輪会場決定以降、市が力を注いできたのは、市民の関心の喚起と参加意識の高揚。4月10日から7月5日にかけて実施した都市ボランティアの2次募集には、定員800人に対し約3.1倍の2506人が応募した。当選者は、8月に江の島で行われるセーリング競技のワールドカップ(W杯)を実地研修として、外国人を含む選手や観客をもてなす「藤沢の顔」としてデビューする。

 一方、藤沢ビッグウェーブの登録者数は現在1万4750人。登録すれば、五輪のボランティアやイベント情報をメールで受け取れる試みで、市は20年までに5万人の登録を目標に掲げる。鈴木市長は「一人でも多くの市民が参加し、みんなで一体となり感動を共有できれば」と、開催1年前の思いを語った。

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