JR長崎線のトンネル上部で掘削をしていた機材が内部に貫通し走行中の特急列車に接触した事故で、工事発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は24日、工事図面上のトンネル位置が実際と約80メートルずれて記載されていたことなどが原因だったと公表した。図面作成の過程では、国土地理院が発行した誤記載の地形図が使用されたと判明した。
機構は同日、国土交通省やJR九州に原因を報告した。
機構によると、工事図面は機構が作製。図面の基になった国土地理院の地形図では工事現場の地下から北側約80メートルの位置にトンネルが記載されており、図面上でも同様の誤りが生じた。機構側はトンネルへの影響がないと判断し、施設管理者のJR九州に工事前の確認をしなかったという。
機構は事故の再発防止策として、地下構造物の近接工事の際は、距離にかかわらず、施設管理者への確認を事前に行うなどとした。
事故発生は11日午前10時25分ごろ。走行中の特急かもめが掘削機材と接触し、緊急停車。機材と接触した車両の先頭と左側面が損傷した。掘削は九州新幹線長崎ルート関連工事に伴う渇水対策のボーリング工事だった。
特急かもめ損傷 図面のトンネル80メートルずれ 誤記載地形図使用 JRに確認せず
- Published
- 2019/07/25 10:38 (JST)
- Updated
- 2019/07/25 10:49 (JST)
© 株式会社長崎新聞社