うっかりやってない? 運転中の危険なNG行為 その2

道路交通法を全て把握している人はいない?

日常的にクルマを運転する人でも道路交通法を全て把握している人は、ほとんどいないのではないだろうか。例えば制限速度を超えて走行するとか、信号無視、飲酒運転といった明らかな違反行為の他にも、知らず知らずのうちにうっかり違反行為をしている可能性もあるかもしれない。

そこで今回も前回に引き続き、うっかりやってしまいがちな違反行為について解説していきたい。

運転席や助手席のサイドにサンシェードやカーテン

夏本番となる今の季節になると、日中の日差しというのは車内にいてもなかなか厳しいものがある。そのため、なるべく日差しを遮りたいと気持ちになる人も多いだろう。しかし、運転席や助手席のサイドウィンドウにサンシェードを装着したままの走行や、カーテンを装着し閉めたままの走行したりすることは道路交通法第55条第2項に該当する可能性があるのだ。

車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載して車両を運転してはならない。

"カーテンを閉めての走行は自殺行為?"

つまり、サンシェードやカーテンは「運転者の視野を妨げる」と判断されるというわけだ。日差しを遮るのだから視野も遮られてしまうというのは当然の判断。ただでさえ何が起こるか分からない公道を走行するのだから、視野が狭まる行為をするのは自殺行為にも等しいのである。

"ヘルメットを装着して公道を走行するのも違反行為だ"

なお、視野を妨げるかどうかは現場の警察官の判断に委ねられる場合が多いので、例えばフルフェイスのヘルメットを装着して公道を走行した場合も「視野が妨げられている」と判断される可能性もある。

モータースポーツでは装着が必須のフルフェイスヘルメットだが、あれはあくまでレースという一般車や歩行者が存在しない中で行うもの。一般公道とは全く別物であることを理解していただきたいところだ。

木製サンダル/下駄/高いヒールなどで運転するのも実はダメ

これからの暑い時期、海などのレジャーに行ったとき、ビーチサンダルを履いてクルマを運転したことはないだろうか? これも実はNGになる可能性がある行為なのだ。

前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項。

例えばサンダルで運転をし、ペダルを踏んだ拍子に足がすべって事故を起こしてしまったとしよう。そうなると「確実に操作し(中略)他人に危害を及ぼさないような運転をしなければならない」という部分に抵触する可能性が高いのである。

都道府県によってルールは様々?

この公安委員会とは各都道府県が定める細則であり、地域によって異なるが、例えば東京都の場合は「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物」、神奈川県は「げた、スリッパその他運転を誤るおそれのある履物」と記載されている。

ここで注目したいのは「等」や「その他」と記載されていることによって、履物を限定していない点だ。つまり、その履物が原因で運転に支障が生じたと判断されれば、どんな履物であろうともNGとなるということである。そのため、少しでもクルマを運転するときは適切にペダル操作ができる履物を履くということが、自分にとっても、周りの人にとってもベストというわけなのである。

事故を防ぐために気をつけよう

ということで、安易にやってしまいがちな2点だがどちらも違反になる可能性をはらんでいる行為ということがお分かりいただけただろうか。もちろんこれらは事故が起こらないように考えられたものであるから、違反になるならない以前に止めていただきたい行為なのである。

[筆者:小鮒 康一]

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