来春、青森県弘前市に新たな現代美術館「弘前れんが倉庫美術館」がオープン

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2020年4月11日(土)、青森県弘前市に「弘前れんが倉庫美術館」がオープンする。英語名称は「Hirosaki Museum of Contemporary Art」。同館は国内外の先進的なアートを取り上げるとともに、弘前と東北の歴史、文化と向き合う作品も収集・展示を行う。展覧会およびコレクションの詳細は今年秋頃の発表を予定している。

高さ15メートルの大型展示空間 ⒸAtelier Tsuyoshi Tane Architects

「弘前れんが倉庫美術館」の基盤となったのは、明治・大正期に建設され、弘前の風景を形作ってきた吉野町煉瓦(れんが)倉庫。日本で初めてシードルを大々的に生産したという歴史があり、2002年、2005年、2006年の過去3回にわたり、弘前市出身のアーティスト奈良美智よる展覧会が開催された場所としても知られている。

吉野町煉瓦倉庫 外観 ⒸNAOYA HATAKEYAMA

築100年におよぶ歴史ある建物の建築改修を手がけるのは、フランスを中心に活躍する建築家・田根剛だ。再生にあたっては「記憶の継承」をコンセプトに掲げ、傷んだ外壁を修復し、分厚い漆喰で覆われた内壁を剥がし、すべてを「赤煉瓦」で包み込むという。老朽化した屋根は「シードル・ゴールド」の菱葺屋根になり、光のうつろいによって輝きが変わり、新しい美術館のイメージを表現する。

上空からみたシードルゴールドの屋根 ⒸAtelier Tsuyoshi Tane Architects

一方、同館のロゴマークを手がけたのはグラフィックデザイナーの服部一成。「弘前(Hirosaki)」の「H」が文字列の長さにあわせて伸びていくデザインとなっている。メインカラーの黒のほか、サブカラーの赤はシードルの原料であるリンゴや煉瓦を連想させる色だという。

弘前れんが倉庫美術館 ロゴマーク

「弘前れんが倉庫美術館」は基本理念・ミッションとして、先進的な内外のアートを紹介し、現代の多様な表現や感性を人々と共有し新たな創造へと繋げる文化創造の拠点をめざす、と掲げている。また、「開かれた美術館」として、地域の住民がアートやデザインに日常的に触れながら集うことのできる、コミュニティのための場としても機能する。

煉瓦倉庫という空間を生かしてどのような美術館が誕生し、どのような展示が行われるのか。来春のオープンが楽しみだ。

(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)