ドラマ『わたし、定時で帰ります。』日本の“仕事観”に海外の反応は…?

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声優としても活躍中の鈴村健一とフリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。7月2日(火)放送の「TREND NET」のコーナーでは『BuzzFeed Japan』オリジナル編集長の伊藤大地さんに「ドラマ『わたし、定時で帰ります。』に対する海外の反応」について伺いました。

※写真はイメージです

◆ニューヨーク・タイムズがコラムで紹介
鈴村:このドラマ、ザベスさんは見ていたんだよね?

エリザベス:最初から最後まで録画して見ていました。

鈴村:がっつり見ていたんですね(笑)。吉高由里子さんが主演で、ざっくり言うと、残業ゼロの頑張りすぎない『定時の女』である主人公が、現在の働き方に一石を投じるドラマということです。

エリザベス:まあ、ざっくりしてますね(笑)。

鈴村:ということで伊藤さん、このドラマ海外でも話題になったということなんですけど?

伊藤さん:世界で一番有名な新聞といっても過言ではない『ニューヨーク・タイムズ』が「会社員は本当に定時で帰れるのか?」というタイトルで、長いコラムで取り上げていました。

鈴村:どう受け止められたんですか?

伊藤さん:まず1つは“驚き”だと思うんですよね。この“定時で帰るのか、帰らないかということが、ドラマになる”という事自体が……。

鈴村:そんなこと当たり前じゃないか!? と思っている人たちが、これを焦点に、どうやってドラマを作るんだ? ということですよね?

伊藤さん:はい、そうですね(笑)。そのなかで大きくフィーチャーされていたのが、仕事に対して個人的な犠牲を求めるという日本人の価値観。これは、日本を成功に導いてきたけれども、同時にいろいろな社会問題の原因にもなっているよ、ということを指摘していて、日本人にとっては痛い指摘なのかなと思います。

鈴村:海外では、定時に帰る、自分の時間を大事にするのは当たり前だ、というところなんですけど、日本が勤勉であることは、海外では異質に見られているんですか?

伊藤さん:多分、仕事に対しての相違があって、アメリカではジョブディスクリプションというものがあるんですね。まず“アナタの仕事はこれです、と明確に書いてください”ということを求めるんですね。それに対して、その仕事をこなしたら終わりということなんですよ。

鈴村:なるほど! どうとでもとれるような玉虫色だったりしないわけですね。

伊藤さん:日本の場合だと、例えば、業務アシスタント全般とか、それって一体どこまで指すんだ? みたいによくわからないですよね。

鈴村:確かにそうかもしれない! でも、日本の仕事の仕方って、常に先回りして~とか、言われたこと以外の事もやるんだよとか、自分で想像するんだよ、みたいなところに、何か美徳があった気もしますし、日本としては、それでうまくいったり発展したことも、また事実なわけですよね。

伊藤さん:多様性の話にもつながると思うんですけど、日本ではすごく統一性が強くて、外国人の方がいっぱいいるような職場というのは少なくて。だから、みんな家族のように一緒になって頑張ろう! というのが強かったと思うんですね。

でも、今までは、年功序列であるとか、終身雇用であるとか、そういうことによって維持できていたものが、その前提が崩れちゃっている中で、価値観だけが残り続けているということが問題なのかなと思いますね。

鈴村:かもしれないよなぁ……。

エリザベス:仕事のために自分頑張ってます! みたいな人のほうが昇進できるイメージありますもんね。

鈴村:根性論が残っているとかね……。

伊藤さん:でも、例えば、工場でどうやって品質を上げようとか、効率を上げようとか、そういうところに関しては、日本は世界トップレベルなわけですよ。トヨタ方式であったりとか。一方で、じゃあ日本の何がダメかというと、やっぱり、ホワイトカラーの生産性。それを管理する人たちがどうなんだというところが、すごく問題なのかなと思いますね。

鈴村:日本では残業があるのが当たり前なんですけど、海外もあるんですか?

伊藤さん:やってる産業はやっていると思いますよ。例えば、金融だとか、本当にITのトップだとか、おそらくそこは死ぬほど働いていると思うんですよ。

鈴村:僕は声優の仕事をしていますけど、何かを創るエンタメメディアとかって、海外だと、ハリウッドだなんだってあるんですけど、メイキングとかで、何日も寝なかったよ……とか言ったりするじゃないですか?

伊藤さん:ありますね。ドラマとかでも暗いデスクの中でインスタント麺みたいなのを食べていたりとかって。結局、このドラマでも僕がメッセージとして感じたのは、仕事に身を捧げる事も価値観の1つだけれども、そうじゃないことも1つの価値観ということで、生き方をどうやって選ぶかという問題であって。

今まで、日本の社会が過剰に仕事中心の人生観を強いてきたのではないですか? ということではないのかなと思いますね。

鈴村:これはやっぱり、変わるべきだと思いますか?

伊藤さん:やっぱり変わるべきだと思いますよ。いろいろな生き方が奨励されてもいいと思いますけどもね。

鈴村:そうですよね。でも、極端になりすぎるのもどうかなと思うんですよね。その“定時で帰るのが素晴らしい!”みたいなことじゃなくて、そこにはちょっと揺らぎがあるべきな気もしていて……。

伊藤さん:そうですね。定時に帰らないといけないと言い過ぎた会社の周りのカフェが、すごい混むみたいな話もよくあって…。

エリザベス:う~ん、仕事を外でしちゃう……。

鈴村:仕事が出来なくなっちゃうみたいな人もいるから、ここが難しいところではあるんですけどね。海外ではこうであるということを参考にしなきゃいけないんですけど、やっぱり、日本には日本のやり方がある、ということを見つけ出していくということを、みんなでやっていかなきゃいけないのかなって思いますよね。

伊藤さん:そうですね。良いところはそのままで、悪いところは直していくという、当たり前のことが必要なのかなと思います。

鈴村:海外では日本の働き方が不思議に見えているという事でした。とはいえ、海外を参考にすべき部分もあるでしょうが日本らしい働き方を探していかなければと思いました。海外とは文化が違うのでこうなっている部分もあります。

急に働かないとシフトしても何かズレが出る。きっと何か解決法があるはずと思うので生活、人生を守るための働き方をそれぞれが考えてみんなで共有していくという議論になればいいなと思います。

<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:鈴村健一、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/
Twitter=@ONEMORNING_1