成り立ちが複雑【私鉄に乗ろう89】愛知環状鉄道線 その1

※この「私鉄に乗ろう」の写真は、筆者がプライベートな鉄道旅で撮影したものです。鉄道会社さんから許可をいただいていませんので、乗車券などがあれば誰でも利用できる場所から、手持ちで撮影したスナップ写真です。ポケットに入るコンパクト・デジタルカメラ(SONY DSC-WX500)で撮影しています。2018年12月9日の撮影。

愛知環状鉄道線の出発点の1つは、東海交通事業城北線でも紹介した大正11年(1922年)改正鉄道敷設法にある国鉄瀬戸線です。東海道本線と中央本線を結ぶ貨物列車がメインのバイパス線です。完成前でしたが瀬戸市〜高蔵寺間に転用されました。こちらは主要幹線のC線規格。高規格です。

愛知環状鉄道線の成り立ちは複雑です

もう1つは、岡多線(岡崎〜多治見)の岡崎〜瀬戸市間。こちらは大都市における鉄道のD線規格で、1976年(昭和51年)に岡崎〜新豊田間が旧国鉄線として開業しています。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化でJR東海に継承されましたが、国鉄再建法によって特定地方交通線に指定されたため、高蔵寺延伸とともに第三セクターに経営転換されました。

特定地方交通線では唯一、第三セクター転換前に電化されていました。

残る新豊田〜瀬戸市間は開業直前1984年(昭和59年)に建設が凍結されました。

これらを合わせて高蔵寺〜岡崎間(45.3km)を愛知環状鉄道が第三セクターで運営しています。起終点を含め23駅、複線と単線が交互に入り組んでいます。直流1500V電化。車両は開業時に旧国鉄101系の廃車発生品に新しい台車と車体を組み合わせた愛知環状鉄道100系電車が導入されましたが、2005年(平成17年)までに新しい愛知環状鉄道2000系に置き換えられています。

トップ画像は愛知環状鉄道2000系、2009年(平成21年)に増備されたロングシート車両。

高蔵寺駅1番線ホームから愛知環状鉄道線に乗りましたが、乗り換えに時間がなくて高蔵寺駅の写真はこれしか撮れませんでした。というのは、高蔵寺まで交通系ICカードで来たのですが愛知環状鉄道線は非対応、いったんJRの改札口を出て、改めて愛知環状鉄道線の乗車券を現金で購入するという手間が必要だったからです。終点の岡崎まで片道870円。高蔵寺駅は春日井市にあります。

高蔵寺駅を出発しました。中央線は下がってゆき、愛知環状鉄道線が上を越えます。

中央線との直通運転もあるので中央線と線路は繋がっています。

ようやく複線になって瀬戸市方面に向かいます。

第二水野川橋梁で水野川を渡って四谷トンネル(1,120m)に入ります。愛知環状鉄道線、このエリアはトンネルが多い印象でした。

3.4kmで中水野駅。相対式ホーム2面2線ですが、これから入線する岡崎方面の上りホーム長は4両分しかありませんが、高蔵寺方面下りホームは10両分と長くなっています。このパターンは幾つかの駅で反復されます。この駅から瀬戸市です。駅を出ると、またトンネル。

駅名標。2004年(平成16年)に高蔵寺〜瀬戸市間が複線化されるまでは交換駅でした。

近年宅地化が進み利用者が増えて居る様です。

前面ガラスの汚れが気になります。

トンネルを抜けると瀬戸市の駅予告票。

では、【私鉄に乗ろう89】愛知環状鉄道線 その2 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)

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