鎮西学院 楠本 5安打完封

準々決勝、創成館―鎮西学院】5安打完封した鎮西学院のエース楠本=県営ビッグNスタジアム

 ずっと目標にしてきたライバルを倒した。鎮西学院がV2を狙った創成館に競り勝ち、11年ぶりに4強進出。圧巻の5安打完封で貢献した楠本は「自分の投球ができた」と仲間と喜びを分かち合い、村井監督も「やはり楠本。よく投げた」と最大級の賛辞を贈った。
 前哨戦のNHK杯中地区予選準決勝。創成館に3-7で敗れた。その反省も胸に、この日は「丁寧に低めを突く」(楠本)と心掛けたマウンド。力のある直球とスライダー、カットボールのコンビネーションで翻弄(ほんろう)した。バックも堅守でエースを支えた。
 2-0の八回、1死から初の連打を許して一、二塁のピンチ。だが「後ろに(右腕の)中川もいる。思い切りいこう」と慌てなかった。次打者の投前バントを三塁封殺すると、最後は内角直球で見逃し三振。正念場を気迫で乗り越えた。
 学校のグラウンドのスコアボードには、敗れた創成館戦のイニングスコアが張り付けてある。「夏に雪辱」の一心で練習を積み、誓いを果たした。次の相手は第1シード長崎商。厳しい戦いが続くが、一歩も引く気はない。背番号1は「創成館の思いも背負い、絶対甲子園に行く」と力強く宣言した。

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