米大学所蔵「被爆十字架」返還へ 関係者が浦上教会訪問

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 長崎原爆で倒壊した旧浦上天主堂(長崎市本尾町)のがれきから米兵が見つけたとされ、米国の大学の研究機関が保管していた被爆十字架について、カトリック長崎大司教区は25日、米側関係者が8月7日にカトリック浦上教会を訪れ返還すると発表した。同教会で同日、高見三明長崎大司教らが出席して返還式が開かれる。

 被爆十字架は高さ1メートルほどの木製。終戦後の1945年10月、長崎に進駐した米軍人ウォルター・G・フック氏(故人)が天主堂の廃虚で発見。当時の山口愛次郎長崎司教(同)から譲り受けたとされる。現在は米オハイオ州ウィルミントン大平和資料センター(75年開設)が所蔵。今年5月に同センターが長崎大司教区に返還を打診。浦上教会で受け入れることが決まり、8月に米側関係者が訪れることになっていた。

 同教会によると、返還に訪れるのは同センターのターニャ・マウス所長、ナンシー・マコーミック牧師らの一行。十字架は長崎原爆の日の8月9日夕、同教会で開かれる平和祈願ミサで奉納、公開する予定。同教会の久志利津男主任司祭は「試練の歴史や希望の象徴である十字架に託された思いを、しっかり受け止めたい」としている。