Grab、韓国・現代と起亜から資金調達 東南アジアのEV導入促進で提携

東南アジアでオンデマンド交通システムとモバイルペイメントプラットフォームを提供する業界大手の Grab Holdings Inc.(以下、Grab)は11月7日、韓国・現代自動車(現代自)と起亜自動車(起亜自)から合計2億5,000万ドルの出資を受け、東南アジアでEVプログラムのパイロット試験を行うための提携に合意したと発表した。3社はEVパートナーシップのもと、EV業界の利害関係者を集めて、東南アジアにおけるEV導入と認知度向上のための取り組みでも協力する方針。

Grabと現代自、起亜自はまず、2019年のシンガポールを皮切りに東南アジアで一連のEVパイロットプロジェクトを開始する。同プロジェクトでは、Grabのパートナー運転手のコスト効率を最適化すべく、EVの活用に重点的に取り組む姿勢。EVパートナーシップではこのほか、同地域でのクイック充電スタンド網の構築などのEVインフラ改善のため、地元政府やインフラ企業などの地域の利害関係者との協力を目指す。また、GrabのEV運転手向けにカスタマイズ可能な修理パッケージの開発を進め、東南アジアの暑く湿気の多い環境で最も効率的にEVを展開できる方法を検証していく。

左:Grab アンソニー・タンCEO
右:現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)副会長

■Grabのミン・マー社長のコメント

「当社はシンガポール最大のEV保有企業として、東南アジア各地でEV導入を促進させるため、現代自動車グループと提携することを楽しみにしております。私たちはお互いに、モビリティーの電化が持続可能で環境にやさしく、低コストの交通プラットフォームの構築にとって重要な基盤の一つだという共通のビジョンを持っています。」

■現代自動車グループの最高イノベーション責任者兼戦略&テクノロジー部門長のヨンチョウ・チ博士のコメント

「世界で最も早く成長している消費者市場の一つである東南アジアは、EVにとって新たな巨大市場です。Grabの同地域での事業展開の範囲は他社の追随を許さず、同社のお客様と企業のプラットフォームはますます拡大しているため、東南アジアでのEV導入を加速するうえで、Grabは貴重なパートナーです。」

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