芦名星が“出世のためなら手段を選ばない女”に変貌! 女同士のバトルが勃発

芦名星が“出世のためなら手段を選ばない女”に変貌! 女同士のバトルが勃発

男尊女卑の警察組織内で、女性監察官と女性警察官たちによる“女のバトル”が勃発! そんな“女性の、女性による、女性のためのサスペンス”「W県警の悲劇」(BSテレ東)が、7月27日からスタート。主演は、ゴールデン帯の連続ドラマ初主演となる芦名星。これまで何度も刑事を演じ、“新・サスペンスの女王”と呼ばれる彼女に、“出世のためなら手段を選ばない監察官・松永菜穂子”という新たな女性刑事像について聞いた。

──ゴールデン帯の連ドラ初主演となりますが、オファーを受けた時はどんな気持ちでしたか?

「飛び跳ねて喜びましたね(笑)。ジンギスカン屋さんの前でマネジャーさんからの連絡を受けて、『えっ? やった~!』って。ただ、私は現場に入る時に緊張してしまうタイプで、主演ということに対して意識を強く持ってしまうと、ゴニョゴニョってしちゃうんです。なので、きちんと冷静に受け止めて、演じることでお返したいです」

──これまで何度も刑事ドラマに出演されてきましたが、本作の原作や台本を読んでどう感じましたか?

「女性警視が出世することの大変さなど、読んでいて“そうなんだ!”って思うことがたくさんありました。そんな中で、主人公の菜穂子は自分なりの正義を貫いていて、自分だけではなく、相手にも『あなたの正義は何なの?』と聞いたりする。それによって、“正義”という難しいテーマを、違う角度から描いている物語だと思いました。また、この作品はとにかくドンデン返しが多いので、そこも楽しんでもらえるポイントだと思います。私自身も、台本や原作を読んで衝撃を受けましたから。“えっ?”って驚いて、もう1回読み直すみたいな(笑)」

──菜穂子は男尊女卑の風潮が強い警察で、女性警察官が活躍できる道筋を作るため、自ら出世することを目指しています。そんな菜穂子をどんなふうに演じたいですか?

「菜穂子はすごく意志の強い女性ですが、ただ自分の信念や正義のために動いているだけではなく、状況を客観視していると思うんです。自分のことも相手のことも、自分の視点だけではなく、俯瞰して見ているような…。すごく頭がよくて、努力を重ねてきた女性なので、それを自分の体を使って、どれだけ表現できるのかが大切だと思っています」

──自分なりの正義を貫くため、菜穂子は時に“手段を選ばない”と言われるような行動を取りますね。

「何かを変える決断をした人は、人からどう思われようと、自分を貫く精神が必要だと私は思います。ただ、彼女は女性警察官たちに憧れられている存在でもあるので、なぜか人の心をつかむような人間らしさや女性らしさを、ふとした瞬間に見せていきたくて。たとえば、菜穂子はいつでも女性らしさを忘れないように、赤い色を身の回りに取り入れているんです。また、話す相手によって話し方を変えて、距離を縮めたりもする。そういうところに、人は心ひかれるんじゃないかなって。視聴者の方たちも、きっと菜穂子の正義に疑問を抱くことはあると思うんです。でも、“そういうこともあるのかな”と、心のどこかで寄り添って見ていただけるように、菜穂子を人間的で魅力的なキャラクターにしていきたいです」

──菜穂子は毎回、それぞれに秘密を抱えた女性警察官たちと“女のバトル”を繰り広げます。佐藤仁美さん、佐津川愛美さん、谷村美月さんなど、個性的なゲストの皆さんが出演されますが、楽しみなことはありますか?

「仁美さんとご一緒するのは10年ぶりくらいで、佐津川ちゃんはデビュー当時に一緒に演技レッスンを受けた仲なんです。谷村さんとは“初めまして”ですが、皆さん怪しくて濃いキャラクターなので、どんなふうに演じられるのかワクワクします。菜穂子は彼女たちとの心理戦を巧みに誘導していく立場ですが、私自身はあまりそういうことが得意ではないので、役を通してチャレンジできるのが面白くて楽しみでもあります」

──逆に菜穂子と共通している部分もあるんでしょうか?

「決めたことをちゃんとやるっていうことですね。本当にそれができているかは別として、そういう気持ちは持っていたいなって。“自分が女であることを忘れない”という意識も、私自身が大事にしていることなので理解できます」

──女性らしさを忘れないというのは、たとえばどういうことですか?

「せっかく女性に生まれてきたので、できるだけ美しくありたいという気持ちを持っていたいんです。といっても、メークやスキンケアにこだわっている…みたいなことではなくて。メークに関しては、寝る前にちゃんと落としてさえいれば大丈夫!っていうタイプなので(笑)、もっとささいな身の回りのことです。たとえば、寝る前に必ず掃除をするとか、スッピンでも眉だけは描いて出かけるとか。そういう小さな美意識を大事にしたいですし、自分で“そうする”と決めたことは守りたいと思っています」

──勉強になります…。ちなみに、菜穂子は同性から慕われる女性ですが、ご自身が憧れるのはどんな女性ですか?

「特定の誰かというよりも、これまで現場で見てきた先輩たちですね。主演の方だったりすると本当に大変だと思うんですが、それでも出演者やスタッフ、エキストラさん、現場に携わるすべての方に細かく気配りできるような方に憧れます。それってお芝居とはまた違う、人としての“心”の部分だと思うので。今回の現場では、私自身もそんなふうに振る舞うことが、一つのチャレンジなんです。いっぱいいっぱいにならず、皆さんと楽しい現場を作れるように頑張ります」

【プロフィール】


芦名星(あしな せい)
1983年11月22日生まれ。福岡県出身。蠍座。O型。2002年に女優デビュー。日本・カナダ・イタリアの合作映画「シルク」(06年)でヒロインに抜てきされ、一躍注目を浴びる。主な出演作に大河ドラマ「八重の桜」(NHK)、「相棒」シリーズ、「スペシャリスト」シリーズ、「連続ドラマW 神の手」(WOWOWプライム)が放送中。

【番組情報】


土曜ドラマ9「W県警の悲劇」
7月27日スタート
BSテレ東
土曜 午後9:00~9:54

葉真中顕の警察小説をドラマ化。女性軽視の風潮が強い「W県警」を舞台に、出世を目指す女性監察官が事件と向き合う姿を描く。警察内部を取り締まる監察官・松永菜穂子は、女性警察官が活躍できる道を作るため、通称・円卓会議と呼ばれる意思決定機関のメンバー入りを目指している。内部調査の極秘任務を命じられた菜穂子は、事件に関係する女性警察官たちと対峙していくことに。それぞれに“秘め事”を抱えた一筋縄ではいかない女性たちと、目的のためなら手段を選ばない菜穂子の“女のバトル”が始まる――。

取材・文/加藤恵 撮影/島田香
ヘア&メーク/大森裕行 スタイリング/山崎祐太

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