ナイキ フットボールのフラッグシップ的存在といえる「マーキュリアル」。
キリアン・エムバペやルカ・モドリッチ、エデン・アザールといったトッププレイヤーたちが愛用するスパイクのNEWモデルが、7月8日に発表された。
今回は特にアッパーに改良を加え、ニットの構造を荒目にすることで素材の硬さを抑え、前モデルよりも“柔らかさ”を感じられる仕上がりとなっている。
そんな注目の新スパイクについて、「マーキュリアル」シリーズを長く履いている日本代表の酒井宏樹に聞いてみたぞ。
「絶対にこれを履きたい」
――今月、新しい『マーキュリアル 360』が発表されました。ひと足早く履いてみて、どのように感じましたか?
「マーキュリアル」としてすごく一貫したものを感じます。これと「ティエンポ」は本当に、良い意味で変わらないなと。
――酒井選手は長く「マーキュリアル」を履いています。自身がスパイクに一番求めるものは何ですか?
デザインです。
――デザイン!? その心は?
マーキュリアルを履いたきっかけは、ブラジルのロナウドでした。彼がずっと好きだったので、スパイクも同じものを履きたいと思っていました。
小学校6年生くらいですね。ちょうど2002年の日韓ワールドカップがあって、そこから「絶対にこれを履きたい!」という思いが強かったです。
――「マーキュリアル」といえば、日本代表のチームメイトで同じサイドバックを務める長友佑都選手も履いています。スパイクの話をされたりしますか?
しないですね(笑)。
あ、でも、僕はローカットの『ナイキ ヴェイパー エリート』で、長友選手はミドルカットの『スーパーフライ エリート』じゃないですか。そのことを聞いたら「僕は長いのじゃないと駄目なんだよなぁ」と言っていました。
僕も一時期ミドルカットを試してみたんですが、やっぱりローカットの方が好きでした。
※ローカットを好む選手も多いが、長友はリリース当初からミドルカットを愛用。足首によりフィットする機能性を備えており、クリスティアーノ・ロナウドやキリアン・エムバペなどもこちらを選択している。
――新しい『ナイキ ヴェイパー 13 エリート』の印象はどうでしょう?アッパーが変わりました。
先ほども言ったように「マーキュリアル」は良い意味で変わらないので、ある程度イメージができた状態で履ける安心感がありますね。
その中で、アッパーが変わって、柔らかくなって進化したなという感じがします。
――なるほど。昨今のスパイクはモデルチェンジが早いですが、個人的に好きなカラーがあれば教えてください。
白です(即答)。
――これまで日本、ドイツ、フランスのクラブでプレーしてきました。それぞれの国でピッチの感触はやはり違いますか?
日本もドイツも、フランスも違いますね。ただ、スタジアムによります。
マルセイユは比較的、やりづらいと思うんですが、自分たちが慣れているので相手はすごく滑りますね。僕らは分かっているので結構長めのスタッドを使っています。
一方で、固定式でもできるんじゃないかという綺麗なスタジアムもあります。本当にスタジアムによって違いますが、全体的に見ると日本よりも重いピッチが多いです。
試合では取替式しか使いません。ポジション柄ですけど、ディフェンダーなので滑って失点してしまえば次のチャンスはないですし、しっかり責任をもってやらなければいけないポジションなのでそこは第一に考えています。
同じ欧州、しかも隣国であるドイツとフランスでもピッチ感覚が違うというのは少し意外だった。
マルセイユのホームであるヴェロドロームは、選手にとって「プレーしづらい」ピッチであるようだ。ただ、それを逆にホームアドバンテージとして生かしているという。
たしかに、酒井がヴェロドロームで着用しているスパイクを見ると、取替式、しかも長めのスタッドを装着していることが分かる。
マルセイユの試合を見る際は、相手選手がピッチに苦労しているかなどもチェックしてみると面白そうだ。
こんな点も“サッカーの楽しさ”の一つといえる。
新しい『マーキュリアル 360』を含む、ナイキの新作スパイクコレクション「ニューライツパック (New Lights Pack)」は、本日7月26日より一般販売が開始されている。