参院選2019、最も僅差だった勝負は得票率0.5%差!接戦の勝負まとめ

7月21日に投開票が行われた第25回参議院議員通常選挙(以下、今回の参院選)。全国45の選挙区から74名、比例区から50名、合計124名が国民に選ばれました。選挙の勝ち方によって当選の価値が上下することはありませんが、競り合ったという事実は今後の政局やその地域での力関係に影響を及ぼすこともありそうです。今回の参院選で、当選した候補と落選した候補の得票差の少なかった選挙区をみてみましょう。

接戦の勝負第5位・山形選挙区

第5位は1人区の山形選挙区です。当選した野党統一候補の芳賀道也氏(無所属)が279709票を獲得し、263185票の自民党の現職だった大沼瑞穂氏を16524票差で下しています。得票率では芳賀氏が2.9%上回りました。

接戦の勝負第4位・岩手選挙区

第4位は1人区の岩手選挙区です。当選した横沢高徳氏(無所属)が288239票を獲得し、272733票の自民党の現職だった平野達男氏を15506票差で下しています。得票率の差は、49.0%対46.3%で2.7%差でした。

接戦の勝負第3位・京都選挙区

第3位は2人区の京都選挙区です。2位を争った共産党現職の倉林明子氏が246436票を獲得し、232354票の立憲民主党・増原裕子氏を14082票差で下しています。得票率の差は倉橋氏が25.8%、増原氏が24.4%で1.4%差でした。

接戦の勝負第2位・滋賀選挙区

第2位は1人区の滋賀選挙区です。野党統一候補の嘉田由紀子氏(無所属)が291072票を獲得し、自民党の現職だった二之湯武史氏は277165票を13907票差で下しています。得票率は49.4%と47.0%で2.4%差でした。

接戦の勝負第1位・宮城選挙区

得票数が最も接戦だったのは、1人区の宮城選挙区でした。野党統一候補の石垣のりこ氏(立憲民主党)が474692票を獲得し、465194票の自民党の現職だった愛知次郎氏を9498票差で下しています。得票率は48.6%と47.7%で、0.9%差でした。

5位以下で得票数が接戦だったのは6位大分選挙区、7位秋田選挙区、8位広島選挙区、9位東京選挙区、10位兵庫選挙区という順番です。

得票率や比例で僅差の結果に終わったのは…?

得票率でみると、東京選挙区の6位で当選した自民党の武見敬三氏(525302票)と7位で落選した立憲民主党の山岸一生氏(496347票)の得票率の差が9.1%対8.6%で0.5%差と全選挙区の当選者と落選者の得票率の差では最小となりました。

また、兵庫選挙区の3位で当選した自民党の加田裕之氏が獲得した466161票と、次点で落選した立憲民主党の安田真理氏の434846票では31315票差あったものの得票率の差はわずか1.4%でした。

政党内での競争となる比例区では、共産党の4人目・紙智子氏が個人名で34696票獲得し、比例5人目の仁比そうへい氏の33360票に1336票差で当選したのが最小差です。比例区で最小得票での当選となった公明党の塩田博昭氏は15178票で、党内で次点の高橋次郎氏に7601票差を付けました。また、立憲民主党では個人名で73787票を須藤元気氏が獲得し党内で8人目となり、9人目で50415票の個人名票を獲得した市井紗耶香氏を23372票差で上回って当選したため、著名人同士で明暗を分ける形になりました。

前回2016年の参院選の大分選挙区(得票差は1090票差、得票率差は0.2%)や新潟選挙区(得票差は2279票差、得票率差は0.2%)ほど僅差の選挙区は今回の参院選では見られなかったものの、当落線上の候補者にとっては得票差が縮まれば縮まるほど、結果が出た時のコントラストが大きいのは選挙の常です。1票の重みをかみしめた候補は今回の参院選でも多かったに違いありません。

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