韓国側、派遣取りやめ通知 長崎県との交流事業 中止相次ぐ 輸出規制問題が影響

 日本政府による半導体材料の対韓輸出規制強化で日韓の対立が深まる中、「朝鮮通信使」復元木造船の対馬寄港取りやめに続き、韓国からの長崎県訪問団の派遣が中止になるなど交流事業に影響が出ている。

 県国際交流協会によると、韓国・釜山(プサン)広域市国際交流財団は26、27日に予定していた公演団「釜山東亜大テコンドー示範団」の長崎市への派遣を取りやめた。「諸般の事情を踏まえて中止したい」と25日夜に連絡があったという。公演団は、県内のテコンドー選手との交流や「ながさきみなとまつり」出演を予定していた。

 対馬市と姉妹縁組を結んでいる釜山市影島(ヨンド)区も、8月3、4日に対馬市厳原町で開かれる対馬厳原港祭りへの訪問団派遣を取りやめた。副区庁長ら8人が来島予定だったが、釜山市長が日韓交流行事の「全面見直し」を表明したことを受け、対馬市側に電話で伝えたという。

 一方、佐世保市は青少年交流事業の一環で、中学生5人を8月5日から3泊4日の日程で姉妹都市、韓国・坡州(パジュ)市へ派遣予定だったが、坡州市から25日、「ホームステイ先の家庭が受け入れに不安を示している」との連絡があり、中止を検討していることを明らかにした。

 受け入れ家庭が、周囲の批判や訪れた中学生に不快な思いをさせることを不安視しているという。日韓で学校の休暇時期が異なることなどから延期は難しいと判断。来年度募集する際に今年の参加予定者を優先的に受け付けるなどの対応を検討しているという。

 佐世保市国際政策課は「このような時期だからこそ実施したかったが、受け入れ側の気持ちも大切にしたい」としている。

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