ユナイテッドの「コスパ最高だった」お買い得選手、9名

このところはサッカーがビジネス色を強くしており、選手を獲得する際にも「コストパフォーマンス」が重視されることが多い。

安く買って、高く売ることが基本。あまりにも高額な投資をしても、うまく機能しなければ売値が安くなってしまい、クラブに打撃を与えてしまう。

かつてマンチェスター・ユナイテッドもそれがうまくやれていた。多くのの選手を発掘し、黄金期に経営規模をどんどん拡大していったのだが…。

『Planet Football』から、マンチェスター・ユナイテッドが非常にうまく獲得に成功した選手たち9名を特集しよう。

チチャリート

獲得額:600万ポンド(およそ8.7億円)

「チチャリート」ことハビエル・エルナンデス。もし2010年のワールドカップが終わったあとに取引していたら、こんな額では済まなかったはずだ。

チーバス・グアダラハラでの活躍を受けてユナイテッドは4月の段階で契約をまとめた。その後のワールドカップで4ゴールを決めたチチャリートを、あまりにも安い価格で手に入れることができた。

オールド・トラッフォードで彼は主役になったわけではないが、ファーストチームの貴重な「スーパーサブ」として仕上げの働きをした。あの立場で4シーズンで59得点は驚異的である。

オレ・グンナー・スールシャール

獲得額:150万ポンド(およそ2.2億円)

ノルウェーの名門モルデで54試合41ゴールと活躍したスールシャール。様々なクラブが関心を持ち、エヴァートンやマンチェスター・シティ、ハンブルガーSV、カリアリなどが接近したが、最終的にはユナイテッドの150万ポンドが最高額だった。

世界的にはほとんど知られていなかったスールシャールは、オールド・トラッフォードでいきなり1年目から33試合に出場、18ゴールを決める活躍を見せ、「ベビーフェイス・アサシン」という愛称まで与えられた。

監督としても昨年ジョゼ・モウリーニョ体制で混乱の極みにあったチームを突如任され、「スーパーサブ」として短期的に救世主となった。長期的にどうなるかはこれからだ。

パク・チソン

獲得額:400万ポンド(およそ5.8億円)

PSVアイントホーフェンでプレーしていたパク・チソンは、チャンピオンズリーグでのパフォーマンスが評価されて2005年のUEFA最優秀選手候補に選出された。それにもかかわらず、マンチェスター・ユナイテッドは彼をわずか400万ポンドという額で獲得できた。

アレックス・ファーガソン元監督はクラブの公式サイトで「パクはビッグゲームで本当に素晴らしかった」と話した。アーセナル戦、そしてアンドレア・ピルロとの対戦に力を発揮した。

「彼は無私無欲で、常にチームのためにプレーした。どんな役割でも文句一つ言わず従い、それに固執してくれた。本当に素晴らしいプロフェッショナルだった」

エリック・カントナ

獲得額:120万ポンド(およそ1.7億円)

マンチェスター・ユナイテッドの伝説的な選手の一人、「帝王」エリック・カントナ。この20年では最も「印象深い」選手であったに違いない。

リーズから1992年にオールド・トラッフォードへやってきた彼は、深刻なストライカー不足に陥っていたクラブの救世主的な存在となった。様々な問題行動を起こしながらも、ピッチ内での活躍は圧倒的なものだった。

その彼がわずか120万ポンドという額で買われたという事実は、今となっては信じられないことだ。

エドウィン・ファン・デル・サール

獲得額:200万ポンド(およそ2.9億円)

ピーター・シュマイケルがユナイテッドを離れてから6年間。ファビアン・バルテズ、ティム・ハワード、ロイ・キャロルら様々なゴールキーパーがオールド・トラッフォードの守護神を任されたが、誰も絶対的な信頼を得られなかった。

そして2005年にようやく後釜が見つかった。それはすでに35歳になっていたファン・デル・サールだった。フラムでの活躍で評価を高めていたとはいえ、年齢もあって200万ポンドという安い取引になった。

しかし彼はそれから6年間に渡ってトップレベルを維持し、4回のプレミアリーグ優勝に貢献。これほどのお買い得は珍しい。

ネマニャ・ヴィディッチ

獲得額:700万ポンド(およそ10.2億円)

「スパルタク・モスクワからやってきたネマニャは、最初はあんなにパワフルなセンターバックではなかったんだ」意外なことをポール・スコールズが話している。

「彼は痩せていて、最初の数週間で壁にぶつかった。しかし彼はそれに早い段階で気づいたんだろう。次の年には、ジムを通り過ぎるたびにウェイトトレーニングをする彼を目にしたよ」

努力でユナイテッドに馴染んだヴィディッチは2014年にチームを去るまでプレミアリーグの歴史上屈指の強靭なCBとして名を馳せることになった。

テディ・シェリンガム

獲得額:350万ポンド(およそ5.1億円)

31歳の選手に350万ポンドを使うことは、それほどマンチェスター・ユナイテッドのファンに受け入れられたものではなかった。たとえエリック・カントナが抜けた穴を急遽埋めなければならない状況でも。

しかし、逆風もある中でオールド・トラッフォードへとやってきたシェリンガムは「地味ながら仕事ができる」男だった。そのビッグクラブの生活にすぐ馴染み、自身を機能させた。

35歳でPFA年間優秀選手賞に輝くという歴史的なことを実現させたあと、彼は万雷の拍手に送られてトッテナムに戻っていった。

パトリス・エヴラ

獲得額:550万ポンド(およそ8億円)

エドウィン・ファン・デル・サールやパク・チソン、ネマニャ・ヴィディッチがやってきた2005-06シーズン、その途中に加入したのがパトリス・エヴラだった。

モナコでプレーしていた左サイドバックは、550万ポンドという安い価格で獲得された。初年度は少し苦しんだものの、その後は絶対的な存在として君臨した。

2014年にはかなり安い120万ポンド(およそ1.7億円)でユヴェントスへと放出されることになったが、その貢献度を考えればあまりにも「お買い得」なビジネスだった。

クリスティアーノ・ロナウド

獲得額:1224万ポンド(およそ17.8億円)

スポルティングで育ったクリスティアーノ・ロナウドは、マンチェスター・ユナイテッドとの親善試合であまりに鋭いテクニックを見せつけたため、アレックス・ファーガソン監督によってすぐに獲得された。

その移籍金は1224万ポンド。実績があまりない18歳に対しての投資としては異例のものだったが、それが「高かった」と思う人は誰もいない。

ロナウドはすぐに世界でも最も優れた選手の一人となり、レアル・マドリーへ8000万ポンド(およそ116.42億円)で売却された。

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