<東海大相模11-2県相模原> 「抑えようという気持ちが出過ぎてしまった」。県相模原の天池は、わずかな心の隙が力みに直結した。
2点を返した直後の八回に、四球を挟んで4連打を浴びてあっという間の4失点。「ごまかしが効かない。甘い球を全部痛打してきた。甲子園常連のチームはさすが」。疲れを言い訳にしなかった。
今大会で初めて苦手の先発を託された。六回までは2本塁打があったとはいえ、内角を攻めて「打ち気をそらせた」とは捕手風間。シンカーやフォークボールも織り交ぜ、細身の体でパワーヒッターに立ち向かった。
応援席にはこの夏対戦した公立校の選手たちの姿もあった。準々決勝で王者横浜を撃破した「公立の雄」の戦いぶりを、さぞ誇らしげに見つめていたことだろう。
「横浜戦は投げていて一番楽しかった。甲子園に行きたかった。もっと野球がやりたかった」と涙に暮れた県相のエース。神奈川ベスト4に堂々と胸を張っていい。