【高校野球神奈川大会】ノーシードから4強、公立の雄 県相模原スタンド、万感の拍手

決勝進出を信じてナインに声援を送る県立相模原高応援団=横浜

 <東海大相模11-2県相模原> 27日に横浜スタジアムで行われた高校野球の神奈川大会準決勝で、ノーシードで躍進してきた県立相模原高は強豪の東海大相模高に敗れ、創部初の決勝進出はならなかった。それでも準々決勝で3連覇中の横浜高に逆転勝利して堂々のベスト4に「ありがとう」「よくやったぞ」とスタンドから盛んな拍手が送られた。

 今大会で初めて横浜スタジアムの外野席が開放され、右翼スタンド上部のウィング席でも多くの観客が声援を送った。15年間、球場で高校野球を観戦しているという茅ケ崎市の会社員、田辺裕一郎さん(37)は「一番上で見てみたかった。上から全体を俯瞰(ふかん)できる。景色は最高。風も涼しい」と笑顔を見せた。

 三塁側は「県相」の生徒やOB、保護者、学校の近隣住民らでぎっしり埋まった。大応援団の声援を力に県相ナインは一時2点差まで詰め寄って大健闘した。

 「横浜に勝ったことで相手も向かってくる気持ちが違ったと思う」と話したのは昨夏のエースで、準々決勝の東海大相模戦に先発した菅地貫太さん(18)だ。

 1年前は逆転負けだったが、今年は横浜戦で同じような終盤のピンチを後輩たちが切り抜け、「自分たちができなかったことをやり遂げてくれた。心からうれしかった」とたたえた。

 今大会をエースとして投げ抜いた天池空投手の母美紀さん(44)は「仲間たちと野球を楽しんでくれた。チームのまとまりが息子のいい投球を引き出してくれた。よく頑張ったねと伝えたい」とねぎらっていた。

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