トヨタ 新型RAV4は見た目と実用性を両立した意欲作! 画像でチェック

トヨタ 新型RAV4 HYBRID X(E-Four/ボディカラー:ダークブルーマイカ)[雪上試乗会/トヨタ自動車士別試験場(北海道)]

オフロード性能に磨きをかけ復活

トヨタ 初代RAV4が登場した当時、“悪路を走れない見た目だけのクロカン”などと揶揄されることがあった(実際にはそんなことなく、軽量なボディで良く走った!)。また、代を追うごとにボディは大型化し、先代に当たる4代目は日本で販売されなくなってしまう。

しかし、世界初となる“新4WDシステム”をひっさげ、2019年5月、5代目のトヨタ 新型RAV4が再び日本市場に復活。多くのメーカーがしのぎを削る日本国内のSUV市場において、新型トヨタ RAV4はどんな魅力を持っているのか、今一度MOTA独自の取材や試乗で得た写真をもとに振り返ってみよう。

4駆のネガティブ要素を解消する新しい4WDシステム

トヨタ 新型RAV4 グレード:Adventure│ボディカラー:アッシュグレーメタリック×グレーメタリック│内装色(シート表皮):オーキッドブラウン(合成皮革/スポーティタイプ)│駆動:4WD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)

トヨタ 新型RAV4には、3つの方式が異なる4WDシステムが用意される。標準グレードとなるGやXに標準装備されるダイナミックトルクコントロール4WDと、ハイブリッドの4WDモデルのE-Four。そして、トヨタ 新型RAV4の目玉、世界初となるダイナミックトルクベクタリングAWDだ。

トヨタ 新型RAV4 4WDシステム概略図(ダイナミックトルクベクタリングAWD/ダイナミックトルクコントロール4WD/E-Four)

このダイナミックトルクベクタリングAWDは、前後のトルク配分だけでなく、左右後輪のトルクを左右独立で制御することで、旋回時の安定性を向上。ダートや雪道といった低ミュー路はもちろん、乾いた舗装路でもその効果は大きく、これまで「4WDは曲がりにくい」というデメリットを解消する。

そして、定常走行時に2WD(FWD)に切り替える「ディスコネクト機構」は、これまでの多板クラッチ式ではなく「ラチェットシフト式ドグクラッチ」採用。従来の多板式クラッチで発生していた動力損失を大幅に低減し、燃費の向上に寄与している。

デファレンシャル機構に左右独立のカップリング機構を設け、左右のトルクを制御する技術や定常走行時に2WDにする技術は、他メーカーや同社の既存車種に腕に採用されている。しかし、この両方を総合的に制御することが世界初であり、「曲がらない・燃費が悪い」という4WDのネガティブな要素を打開する技術と言えるだろう。

スムーズなガソリンとパワフルなハイブリッド

トヨタ 新型RAV4 グレード:HYBRID G│ボディカラー:シルバーメタリック│内装色(シート表皮):ブラック(合成皮革)│駆動:E-Four(電気式4WDシステム)
トヨタ 新型RAV4 グレード:Adventure│ボディカラー:アッシュグレーメタリック×アーバンカーキ│内装色(シート表皮):オーキッドブラウン(合成皮革/スポーティタイプ)│駆動:4WD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)

搭載されるパワーユニットは、2.0リッターガソリンエンジンと、2.5リッターのハイブリッドの2種類。

最高出力171ps の2.0リッター直噴エンジンは、車両重量が1.6tに迫るミドルサイズSUVと考えれば絶対的なパワーはないものの、最大トルク21.1kg・mを発生。実用域では十分な動力性能を持ちつつ、滑らかな回転フィールが特徴。

一方、2.5リッターエンジンを持つハイブリッドは、排気量が大きいのはもちろん、大型化された後輪のモーターにより、余裕のある動力性能を与えられている。駆動配分も走行状況によって前後100:0から20:80まで変化。これまでの補助的なハイブリッド4駆ではなく、より本格的な4WDに近づいたと言えるだろう。

ワイルドでありながら都会にも馴染むエクステリア

トヨタ 新型RAV4 グレード:HYBRID G│ボディカラー:シルバーメタリック│内装色(シート表皮):ブラック(合成皮革)│駆動:E-Four(電気式4WDシステム)
トヨタ 新型RAV4 グレード:HYBRID G│ボディカラー:シルバーメタリック│内装色(シート表皮):ブラック(合成皮革)│駆動:E-Four(電気式4WDシステム)

適度なワイルド感とメカメカしさが共存するエクステリアは、ここ数年もてはやされてきたトヨタの“キーン・ルック”とは少々様子が異なる。エクステアリデザインのテーマとなったのは、八角形を90°ずらして組み合わされた「クロスオクタゴン」。そして、Dセグメントセダンのカムリと同じ、TNGAのGA-Kプラットフォームを採用することで、ワイド&ローなスタイルを手に入れると共に、1クラス上の剛性感を手に入れている。

さらに、適度なエッジや角張ったプレスラインを上手に取り入れることで、本格クロカンモデルのような力強さと、都会にも馴染むデザイン性を合わせ持つ。

質感と使い勝手を高次元で両立

トヨタ 新型RAV4 グレード:Adventure│ボディカラー:アッシュグレーメタリック×アーバンカーキ│内装色(シート表皮):オーキッドブラウン(合成皮革/スポーティタイプ)│駆動:4WD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)
トヨタ 新型RAV4 グレード:HYBRID G│ボディカラー:シルバーメタリック│内装色(シート表皮):ブラック(合成皮革)│駆動:E-Four(電気式4WDシステム)

日本ではやや忘れ去られていたとは言え、RAV4はこれまで全世界で896万台を売上げてきた大人気のグローバルモデル。それだけに、インテリアも実に考え抜かれたものとなっている。

高さを抑えたダッシュボード上面とウインドウラインは、比較的水平に保たれ見切り性能は良好。

そして、同クラストップレベルの容積を誇る580リットルのラゲッジスペースや、ラゲッジ床面の高さを2段階に調節できる2段デッキボードなど、使い勝手を優先にしたデザインになっていることも大きな特徴だろう。もちろん、室内空間も余裕たっぷりだ。

[筆者:増田 真吾]

トヨタ 新型RAV4 主要スペック

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