けん玉、全国V さらに上へ 日大藤沢高・飯島さん

 横須賀市内のけん玉教室に通う日大藤沢高1年の飯島啓介さん(15)が、7月中旬に都内で開かれた全国大会で初優勝した。難易度の高い技を早く正確に成功させ、前年覇者を破る金星を上げた。技を決めた時の達成感にはまっているという飯島さんは「さらに上を目指したい」と意気込んでいる。

 全国大会「スピードトリック選手権大会」は、日本けん玉協会が13、14の両日に主催した「JKAワールドオープンけん玉フェスタ2019」の中で行われた。難易度の高い16種の技の中から13種を選び、任意の順番で全て成功させ、そのタイムを競う。失敗した技は最初からやり直す必要があり、早く正確に技を決めることが求められる。

 昨年の優勝者との決勝戦に進んだ飯島さんは、糸を持った状態からけん玉を上に放ってキャッチし、玉を剣先に収める「つるし玉つきさし」でスタートし、手の中で剣を1回転させながら大小サイズの異なる三つの皿に玉を順番に乗せ、最後に剣先に収める「風車世界一周」でフィニッシュ。一度も失敗することなく、見事、初優勝を果たした。

 飯島さんとけん玉との出合いは、小学3年の時。当時の担任教諭から教わり、日本けん玉協会に所属する伊東勝さん(78)主宰の横須賀市内の教室に通うほど夢中になった。小学4年から伊東さんの直接指導を受けるようになり、平日1時間、休日3時間、休むことなく練習してきた。

 けん玉の魅力について、飯島さんは「基礎を磨けば磨くほど、技の切れが増してうまくなる。上達していると実感でき、技が決まった時の達成感もたまらない」と説明。決勝戦では「はやる気持ちを抑え、技に集中した」といい、「勝てると思っていなかったので信じられない気持ち」と初の栄冠を喜んだ。

 現在は自分の技術向上だけでなく、後進の育成にも励んでいる。横浜市金沢区に引っ越した今も、伊東さんの教室に毎週日曜に足を運び、小中学生らを指導している。「けん玉のおかげで、『自分が好きなものはこれだ』と胸を張れるようになった。これからもずっと続けていく」と飯島さん。次の目標は20歳での6段取得だ。

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