このところチームとしてのブランド価値を極めて向上させているリヴァプール。その結果としてピッチ内でも結果が出ており、昨季はチャンピオンズリーグ制覇も成し遂げた。
お金とサッカーがより強くリンクするようになったサッカー界において、選手の売り買いをうまくやることはもはや「必須事項」となりつつある。
リヴァプールがそのなかで「うまくやってのけた」6つの取引とは?『Planet Football』の記事から見ていこう。
ドミニク・ソランケ
獲得額:フリー
売却額:1900万ポンド(およそ27.7億円)
ソランケは2017年夏に出場機会を得られなかったチェルシーを退団し、フリーでリヴァプールへと加入した。
若手選手の場合契約満了での移籍でも手数料がかかるが、これはクラブ間の交渉で額が決まる。チェルシーは1000万ポンド(およそ14.6億円)を求めたが、リヴァプールは300万ポンド(およそ4.4億円)しか払わずにすんだ。
そして18ヶ月をアンフィールドで過ごしたがほとんど活躍できず。なのにどういうわけかクリスタル・パレスに1900万ポンドで売れた。
ダニー・ウォード
獲得額:フリー
売却額:1250万ポンド(およそ18.2億円)
彼はリヴァプールでサブキーパーを務めてきた選手だ。2012年1月にレクサムから18歳でリヴァプールにやってきて、5年半の契約を結んだ。それから長くベンチどころかスタンドを温めてきた。
決してプレミアリーグで印象を残したとは言えない選手であるが、2018年7月にはカスパー・シュマイケルのサブを求めていたレスター・シティへと売却された。
リヴァプールの交渉担当者がどれだけ強気に交渉したのかは不明だが、3回しかプレーしなかったGKは1250万ポンドで売れた。
ママドゥ・サコ
獲得額:1800万ポンド(およそ26.2億円)
売却額:2600万ポンド(およそ37.8億円)
2013年にパリ・サンジェルマンからリヴァプールへやってきたフランス人DF。リーグアンでは18歳でキャプテンマークも巻いた彼は、およそ1800万ポンドで買い取られた。
3シーズンで80回出場したものの、2016-17シーズンの前には規律違反でアメリカキャンプから追放され、トップチームから外れ、半年後にクリスタル・パレスへと貸し出された。
そしてパレスは彼を2600万ポンドで買い取ることを決め、リヴァプールとしては意外にもかなり得な取引になった。
クリスティアン・ベンテケ
獲得額:3250万ポンド(およそ47.3億円)
売却額:2700万ポンド(およそ39.3億円)
彼の場合は取引自体で得をしたわけではないが、よくこの結果に持ち込んだという交渉だ。
アストン・ヴィラから3250万ポンドというかなり高額な移籍金でリヴァプールへやってきたベンテケであったが、その年クロップ監督が就任したことでチームに合わない選手になってしまった。それでもそれなりに結果は残し、いくつかの勝ち点獲得には貢献している。
そして1年後、彼はクリスタル・パレスへ移籍。その額は2700万ポンドだったが、ボーナスが加われば最大3200万ポンド(およそ46.6億円)になるという契約だった。
ジョーダン・アイブ
獲得額:54万ポンド(およそ7860万円)
売却額:1500万ポンド(およそ21.8億円)
2012年に16歳でウィコムから獲得されたアイブ。才能は認められながらも、なかなかリヴァプールでは定位置をつかめなかった選手と言える。
ただ、ユルゲン・クロップ監督が様々なメディアで高く評価していることを言いふらしていたためか、市場価値が高止まり。2016年夏にはボーンマスへ放出されたが、その移籍金は彼らのクラブ記録である1500万ポンドになった。
しかし昨季も19試合しか出場しておらず1ゴール1アシスト。一貫性のないパフォーマンスが続いており、リヴァプールが継続的に使わなかった理由に誰もが気づき始めている。
ジョー・アレン
獲得額:1500万ポンド(およそ21.83億円)
売却額:1300万ポンド(およそ18.9億円)
ブレンダン・ロジャーズ体制で獲得された選手の一人、ジョー・アレン。彼がスウォンジーからやってきた際の価格はおよそ1500万ポンド。
しかしクロップ新監督が就任してからはあまり重要なところで使われなくなってしまい、2015-16シーズンにはスタメン出場がわずか8回とバックアップに回ってしまった。
とはいえまだ市場価値が高い間に売却することができ、その価格は1300万ポンドになった。200万ポンド(およそ2.9億円)の損失は出たものの、契約は残り1年だったことを考えればとてもうまく行った交渉で、タイミングを間違えなかった。