神戸市、起業家支援ヘルスケアに特化 医療産業都市へ誘致狙い

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神戸市役所=神戸市中央区

 神戸市は、米国のベンチャーキャピタル(VC)と取り組む起業家育成について、ヘルスケア分野に特化する方針を固めた。これまでは育成対象を限定しなかったが、医療産業都市の立地を生かせるヘルスケアに絞り込み、支援を地元誘致につなげる狙いだ。

 同市は2016年度から、米シリコンバレーのVC「500スタートアップス」と共同で起業家を支援。専門家が事業計画づくりを手助けしたり、資金調達に向けて計画を分かりやすく伝える手法を指導したりしてきた。

 市によると、過去3年で物流や娯楽、人事労務など幅広い分野の56社を支援し、80億円超の投資を集めた。しかし、支援先の多くは海外を含め神戸市以外で事業を展開しており、雇用や税収など地元への波及効果が乏しいとの指摘も出ていた。

 市は支援対象をヘルスケアに絞ることで、支援後に神戸に拠点を置いてもらう効果を期待する。ポートアイランドの医療産業都市には、ベンチャー企業の顧客や協業先となり得る企業、研究機関が集積。新製品・サービスを同都市の病院や市民らが試す仕組みもフル活用する。

 市によると、ベンチャー企業との協業を探る大企業は増えており、効果的な支援が企業誘致の鍵を握るという。これまでの支援先は海外企業が6割を占め、日本進出の足掛かりを求める外資系を念頭に、賃料補助など新たな支援策を検討する方針だ。

 本年度の起業家支援は11月4日から約1カ月間。今月29日から募集し、約20社を選抜する。市新産業課は「国内外の新興企業と医療産業都市が融合し、神戸から新たな製品やサービスを生み出したい」としている。(長尾亮太)