横浜銀が新ファンド

 横浜銀行は来年1月、4月に経営統合する東日本銀行と政府系金融機関の日本政策投資銀行と共同で、地元の中小・中堅企業を対象とした地域活性化ファンドを設立する。高リスクとされる劣後ローンなど多様な金融サービスに対応し、事業拡大など企業の幅広い資金需要に応えることが特徴。景気回復が進む中、地方創生を念頭に、企業の経営基盤の強化や成長を促し、地域経済の活性化や雇用創出を目指す。横浜銀グループが他の金融機関と共同でファンドを運営するのは初めてという。

 ファンド名は「みらい地域活性化ファンド」。規模は30億円で3行が出資し、来年1月8日の設立を予定している。存続期間は10年で、当初の3年間で投資する。1社当たりの投資規模は数億円を想定し、設立後、早期に第1号案件の決定を目指す。

 横浜銀と東日本銀の地域に密着した顧客ネットワークと、政策投資銀が持つ金融サービスのノウハウを組み合わせることで、企業の多様な資金需要に対応する。具体的には、通常の融資に比べて返済の優先順位が低いため、金融機関としては資金を供給する選択肢として難しかった劣後ローンや優先株などのリスクマネーに投資する。このことで、企業側はより資金を調達しやすくなる。

 対象は、県内と東京都内を中心とする横浜銀と東日本銀の取引先企業で、業種は問わない。一定の業歴がある企業で、事業拡大の成長資金の調達をはじめ、資本の充実や資金繰りの安定化、事業承継などの資金需要を想定している。

 横浜銀は「特に中小企業が資金調達する際には、借り入れという固定観念がある。出資を含めた多様な資金調達の手段で企業のニーズにきめ細かく対応していく」、政策投資銀は「主要な地域金融機関と地方創生に貢献していきたい」としている。

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