原料は折り鶴 お香が完成 波佐見の「金富良舎」 原爆資料館などへの寄贈分

折り鶴の灰を活用した「折鶴香」(金富良舎提供)

 長崎県東彼波佐見町を拠点とし活動している一般社団法人「金富良舎(こんぷらしゃ)」が長崎原爆資料館などに寄贈された折り鶴を原料にしたお香「折鶴香(おりづるこう)」をつくった。
 折り鶴は昨年度、長崎原爆資料館に約760キロ、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に約200キロ寄せられており、展示後の活用策が課題となっていた。
 金富良舎は、折り鶴の焼却灰をお香の原料の一部に使用。セットになっている波佐見焼の香立てのうわぐすりにも灰を混ぜた。
 折り鶴を模した紙製の箱に30本入り。県内各地で1080円、ECサイトや県外では1350円で販売している。売り上げの一部を市に寄付する。
 代表の松尾栄太郎さん(42)は「千羽鶴は平和への思いが込められたもの。折り鶴がお香となって消費され循環し、平和への祈りの気持ちを広げていけたら」と話した。

完成した「折鶴香」を手渡す松尾さん(右)=長崎原爆資料館

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