潜伏キリシタン遺産 登録1年で来訪者93万人 前年同期比33万人増

 昨年7月、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の来訪者数が、昨年7月~今年6月までの1年間で93万6761人に上ることが29日、長崎県のまとめで分かった。登録前の前年同期(2017年7月~昨年6月)と比べ1.55倍、約33万人増だった。

 長崎県観光振興課によると、集落ごと登録された構成資産では、代表的な建物の来訪者数で計算している。

 昨年7月~今年6月で来訪者数が最も多かったのは大浦天主堂(長崎市)。約50万6千人で、全来訪者数の半数以上を占めた。このほか天草の崎津集落(熊本県天草市)約17万7千人、外海の出津集落(長崎市)約6万4千人、原城跡(南島原市)約5万人などと続いた。

 来訪者数の増加率が最も大きかったのは平戸の聖地と集落(平戸市)で、前年同期比6.73倍の約2万3千人。外海の大野集落(長崎市)が同4倍の約1万8千人、久賀島の集落(五島市)が同2.93倍の約2万2千人、原城跡が同2.81倍などだった。

 天草の崎津集落を除く、長崎県の構成資産の来訪者数は計約76万人。月別来訪者数は、改元に伴う大型連休があった今年5月が最多だった。長崎県世界遺産課は「確実に登録効果は表れている。今後も関係自治体などと一体となり保存活用に取り組み、地域活性化につなげたい」としている。

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