『BMW M8カブリオレ』上陸。15秒で開閉可能な多層式ソフトトップ採用

 サーキット由来のテクノロジーを盛り込んだ、BMW M社の新たな旗艦モデル『BMW M8』に、早くもオープンモデルの『BMW M8カブリオレ』が登場。50km/h以下の走行時も15秒で開閉可能な多層構造のファブリックルーフを採用し、流麗なスタイルを併せ持つ最高峰オープンモデルは、7月24日から発売開始となっている。

 この最新オープンのベースモデルとなった『BMW M8』は、WEC世界耐久選手権や北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップなどの耐久シリーズを戦う高性能クーペとして活躍を演じてきた。

 その本格的なパフォーマンスを内側に秘めた『BMW M8カブリオレ』は、ルーフ素材に高品質なファブリックを採用した多層式ソフトトップを採用し、パフォーマンスの追求のみならずクローズド時にはくっきりと段差のあるノッチド・クーペのスタイルに。

 そしてトップオープン時には印象的な曲線がキャビンを囲い、ダブルバー・キドニーグリルや、ボディ側面のエアブリーザーに装備された“Mギル”など、BMW Mモデルの象徴的な装備が性能をアピールすると同時に、繊細かつ優雅なラグジュアリーモデルとしての個性も演出されている。

 その心臓部に収まるエンジンは、『BMW M8』と同じくBMW M独自のクロスバンク型ツインパワー・ターボ・テクノロジーを採用した4.4リッターのV型8気筒直噴ターボとなり、最高出力600PS、最大トルク750Nmを実現。

 直噴インジェクターは市販車でも最高レベルの噴射圧350barまで高められ、より高効率な燃焼制御を実現したほか、サーキット走行などの高負荷時を想定し、オイルパンのフロント側に小型のチャンバーを搭載して、横方向および前後方向に極度の負荷がかかる状況下でも、必要に応じて小型チャンバーによる追加供給を可能にする吸引システムを採用した。

 その高出力を支える駆動系には『BMW M5』で初めて導入されたインテリジェント4輪駆動システムM xDriveを採用。巨大なトルクを前後無段階かつ可変的に振り分けるこのシステムは、新型『BMW M8カブリオレ』ではより特別な設定とされ、ダイミック・スタビリティ・コントロール(DSC)の介入は極端な状況のみに限定。エンジンパワーを推進力としてほぼ無駄なく利用可能となっている。

50km/h以下の走行時も15秒で開閉可能な多層構造のファブリックルーフを採用
クローズド時にはくっきりと段差のあるノッチド・クーペのスタイルに

 さらに、BMW Mモデルに初めて採用されたM専用インテグレーテッド・ブレーキ・システムは、アクセル全開時の高負荷条件下でも優れた安定性を実現するように開発され、ブレーキの作動、ブレーキブースター、ブレーキ制御の各機能をコンパクトに統合すると共に、非バキューム式のブレーキブースターを採用することで、約2kgの重量削減を実現。

 そのブレーキ圧は電動アクチュエーターによって生成され、より素早く正確な制御が可能となった上、ドライバーが任意に車両の減速度を調整することが可能となり、あらゆる状況で思い描くペダルフィーリングを実現する。

 そのほか、レスポンス、ステアリング、サスペンション特性をドライバーが任意に設定変更できる機能には、新しくセンター・コンソールに“M MODE(Mモード)”ボタンを追加。これによりメーターパネル、ヘッドアップ・ディスプレイの表示方法や、運転支援システムの介入レベルを“ROAD(ロード)”、“SPORT(スポーツ)”いずれかのモードに変更可能となった。

 また、Mモデル導入時にはおなじみの存在となった『BMW M8カブリオレCompetition』も設定され、専用セットアップが施されたエンジンは625PSにまで増強しつつ、より高硬度なエンジンマウントを採用。デザイン面ではハイグロス・ブラックのキドニーグリルとモデルバッチ、ドアミラー、リアスポイラー類が装備され、よりアグレッシブなデザインとなるほか、M MODEには運転支援システムの快適性と安全性に関する全ての機能が無効になる“TRACK(トラック)”モードが装備されている。

 これらのパフォーマンスを実現しつつ、トップ開閉時ともに350リッターのラゲッジルーム容量を備えるなど、高級オープンとしての実用性も兼ね備えた『BMW M8カブリオレ』は、左右ハンドル仕様が用意され、価格は2338万円に。さらなる高性能版『BMW M8カブリオレCompetition』は、2541万円となっている。

レザー仕様のステアリングやシートを始め、コンソールなどにアンビエントライトを採用した
シフトセレクターにトップ開閉ボタンを配置。M MODEなどの新機軸も備える

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