人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査を実施(2018年)

2017年度の人事・総務関連業務アウトソーシング市場規模(主要14分野計)は8兆2,396億円~前年度と同水準の二桁プラス成長を確保~

©矢野経済研究所

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、人事・総務関連業務アウトソーシング市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1.市場概況

2017年度の人事・総務関連業務アウトソーシング市場規模(主要14分野計)は、前年度比19.3%増の8兆2,396億円であった。内訳を見ると、シェアードサービス市場(シェアードサービスセンター、学校法人業務アウトソーシング)が前年度比4.1%増の4,115億円、人事業務アウトソーシング市場(給与計算アウトソーシング、勤怠管理ASPサービス、企業向け研修サービス、採用アウトソーシング(RPO)、アセスメントツール)が同3.2%増の8,745億円、総務業務アウトソーシング市場(従業員支援プログラム(EAP)、健診・健康支援サービス、福利厚生アウトソーシング、オフィス向け従業員サービス)が同5.6%増の2,393億円、人材関連業務アウトソーシング市場(人材派遣、人材紹介、再就職支援)が同23.5%増の6兆7,143億円で、人材関連業務アウトソーシング市場が市場全体の8割超を占めている。

主要14分野のうち、好況期にサービス需要が縮小する「再就職支援市場」を除いた13分野で市場規模が拡大している。特に、働き方改革を背景に時間管理を通じた生産性向上に対応する「勤怠管理ASPサービス市場」、効果的な保険事業の実施を通じた医療費抑制を目的とした国の施策(厚生労働省・健康保険組合連合会「データヘルス計画」)による従業員の健康維持・増進を経営戦略的に支援する「健診・健康支援サービス市場」、人材不足・人材確保難の顕在化によりサービス需要が拡大している「人材派遣市場」や「人材紹介市場」の4分野で二桁のプラス成長であった。

人事・総務関連業務アウトソーシング市場規模推移(主要14分野計)

2.注目トピック~ノンコア業務を中心に外部委託(アウトソーシング)する機運の高まり継続

人事・総務関連業務アウトソーシングのユーザー企業を取り巻く環境を見ると、近年の好景気により業績が拡大するなか、就労人口の減少により人材確保の難しさが顕在化し、社内人材をコア(中核)業務に配置する流れが生まれている。こうしたなか、間接業務である人事・総務関連業務を外部委託(アウトソーシング)する機運が高まり、アウトソーシング需要が拡大している。特に大企業では、本業に対して経営資源を集中投下する一方で、間接業務のより一層の効率化を目的としたアウトソーシングの活用範囲が拡大しており、以前から行われてきた業務システムに加えて、人を介した業務に関しても外部委託する動きが活発化している。また、大企業をターゲットとしたサービス需要の取り込みが一巡したような分野では、従来アプローチをしてこなかった中堅・中小企業などに顧客層の拡大を進めていることも、市場拡大の追い風になっている。

3.将来展望

人事・総務関連業務アウトソーシングは、“サービスの一括提供”というかたちに移行しつつある。ユーザー企業における旺盛な需要に合わせ、今後、アウトソーシング提供事業者はサービスラインアップ拡充により、ユーザー企業の個別需要に合わせたモジュール化(最適なサービスの組み合わせ)したソリューションサービス提供を中心に需要の取り込みが加速していくことが想定される。また、この動きと同時並行するかたちで、業界再編の動きも活発化していくものと考える。