J1鹿島、経営権譲渡 「身売り」地元に衝撃 驚き、不安、期待が交錯

©株式会社茨城新聞社

鹿島アントラーズのホーム、県立カシマサッカースタジアム。鹿島サッカースタジアム駅からの通路は「メルカリロード」、右奥の第2入場口は「NIPPON STEELゲート」の名が付けられている=鹿嶋市神向寺

サッカーJ1鹿島アントラーズFCの経営権が日本製鉄からメルカリに移ることが30日、発表された。鹿島は住友金属蹴球団が前身。「住金(現日本製鉄)」と地元に親しまれてきた企業の後押しを受けてきた歴史があるだけに、突然の「身売り話」に、サポーターやチームOB、ホームタウンを構成する鹿行地域の市長らから、驚きと不安、期待の声が交錯した。

同日午後、鹿嶋市宮中のショッピングセンター「チェリオ」のジーコ広場。メルカリの経営参入を伝えるテレビ画面を地元住民らは複雑な表情で見つめた。神栖市の山中源一さん(68)は「地元企業が支えてきたクラブで歴史もある。変わることで、地元が盛り下がらないか不安だ」と残念がった。鹿嶋市の主婦(66)は「アントラーズは地域にとって大切で特別な存在。(メルカリを)よく知らないので不安もあるが、より良くなってほしい」と期待した。

チーム創設時から選手、スタッフとして活躍した前監督の石井正忠さん(52)は「選手時代から住金でお世話になったので寂しい感じ。(メルカリが)どう経営に関わるかは分からないが、見守るしかない。鹿島はどんどん大きくなり、今や日本だけのクラブではない。仕方がないこと」と冷静に受け止めた。

サポータークラブ・インファイト代表で鹿嶋市議の河津亨さん(50)は「まずは心配だし、寂しい」と絞り出した。「(自分たちにとって)アントラーズの歴史は、Jリーグが始まったときではなくて、住金鹿島にジーコが来てくれたときに始まった」と説明し、「鹿嶋は住金の町で、当初(チームを)支えていたのは住金の社員だった。地元企業が支え、地元の人が見にいっていたこれまでのアントラーズが変わってしまうかもしれない」と不安を口にした。

鹿嶋市商工会青年部アントラーズ応援委員会の山町浩信委員長(37)は「鹿島を応援している人はみんなショックだと思う」と切り出し、「クラブをより良くする決定だと信じるしかない。鹿島は、この鹿行地域から世界と戦ってきた。そこに誇りを持っているので、その伝統は守っていってほしい」と願った。(石川孝明、藤崎徹、関口沙弥加)

■鈴木周也行方市長の話 立ち位置上昇に期待

メルカリのような新しい資本が入ってくるのは時代の流れ。今後、アントラーズDMOなどでも海外との接点が増えていくと思われる。よりビッグクラブになるため、鹿島の立ち位置が上昇していくことに期待したい。

■原浩道潮来市長の話 頼もしいパートナー

このたび、頼もしいパートナーを迎えることで、これまで培ってきたクラブの伝統を礎とし、さらなる飛躍を期待したい。潮来市としても、これまでと変わらず、鹿島アントラーズのホームタウンとして市を挙げてサポートしていく。

■岸田一夫鉾田市長の話 理念引き継ぎ発展を

メルカリさまにおいては、今回、筆頭株主になられることで、クラブ創成期から日本製鉄と培ってきた理念を引き継ぎ、三位一体となり、鹿島アントラーズと鹿行地域のさらなる発展にお力添えをいただけるようお願い申し上げる。