【MLB】田中将大、復調の鍵は…米誌指摘「スプリットなしではタナカは信頼できない」

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

先発投手陣が崩壊状態のヤンキース、田中は12失点で「ついにどん底」

 ヤンキースの田中将大投手は今季21試合に登板して7勝6敗。宿敵レッドソックス戦での2度の炎上劇が響き、防御率は4.79まで悪化している。米メディアは、今季の不調の要因はスプリットにあると指摘。「スプリットなしではタナカは信頼できない」と、宝刀の輝きを取り戻すことが田中の復活につながると分析している。

 特集を組んだのは、権威ある米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」。7月31日(日本時間1日)のトレード期限を目前に「どのチームが最もトレード期限のプレッシャーに直面しているか? ヤンキースから見てみよう」とのタイトルで分析し、その中に「ヤンキースの先発投手」という項目を設けている。

 記事では「ヤンキースは密かにトレードを行うのが好きである。しかし、彼らのローテーションはとても酷く、金額が高騰する状況でトレードしなければならない。ヤンキースのローテーションは崩壊し、スランプ以上に深刻な問題であるように見える。先発全員が問題を抱えている」と指摘。田中が25日(同26日)のレッドソックス戦で3回1/3を自己ワーストの12安打12失点と炎上するなど、ヤンキースの先発投手陣は乱調が続いており、補強が急務とされている。

 田中については「彼は今季、決め球のスプリットなしで投げていて、木曜日のレッドソックス戦で12失点し、ついにどん底に陥った」と言及。実際には、スプリットも投げてはいるが、状態が上がらない期間が長く、決め球として機能しない試合も多かった。

「スプリットなしでは、タナカは信頼できない」

「その(12失点した)登板では、初回2アウトの状況で、タナカはジャッキー・ブラッドリーJr.に0ボール2ストライクからスライダーを投げた。本来ならスプリットを投げる場面だったが、彼はもうスプリットを信頼していないため、スライダーを投げた」

 この試合、ボガーツにグリーンモンスター越えの先制3ランを浴びた田中は、その後2死満塁の場面でブラッドリーJr.に右翼線への2点二塁打を浴び、試合の流れを決める痛い失点を喫していた。この場面で確かに田中は追い込んでからスライダーを投げて、打たれていた。

 記事では、「あるヤンキースのスタッフは『球種が読まれていることが原因であってほしい。もしそうじゃなかったら……』と語った。現時点で原因は判明していない」と言及。レッドソックスが田中の球種をクセなどから読んでいるという分析はニューヨークメディアも記事にしている。ただ、それならば対策を立てられるものの、単純に田中の状態が悪くて打たれているならば、この先の見通しも厳しくなるとの見方だ。

「彼の球種が読まれているのか、スタッフが調査を開始した日、タナカはスプリットを修正するために、異例となる登板翌日にフェンウェイ・パークでブルペン入りした。ヤンキースは2019年の飛びやすいボールがスプリットの問題を悪化させていると考えている。しかし、ボールは変わらないため、タナカはスプリットを復活させるために懸命に取り組んでいる。スプリットなしでは、タナカは信頼できない」

 切れ味抜群のスプリットは、田中が絶大な勝負強さを発揮した過去2年間のプレーオフでも威力を発揮した。ただ、その球種に問題があるとすれば……一刻も早く解決しなければいけないことは間違いない。(Full-Count編集部)

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