TKU総務局長、社内で後援会名簿集め 自民・本田氏側に送付

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本田顕子氏の後援会名簿集めに使われた後援会討議資料の裏面。名前や住所、電話番号などを記入する欄がある

 テレビ熊本(TKU、熊本市北区)の総務局長の男性(56)が社内で、21日投開票の参院選比例代表で初当選した自民党新人の本田顕子氏の後援会名簿数十人分を集めていたことが30日、分かった。公正・公平な選挙報道が求められる放送局内での名簿集めに、識者は「選挙運動に類似した行為。慎むべきだった」と指摘している。

 総務局長によると、名簿集めは6月ごろ、妻の知人の後援会関係者から頼まれた。他の局長らに、住所や電話番号、同居家族などが記入できる本田氏の後援会討議資料を「お願いできる人に」と配った。従業員は約180人おり、名簿は数十人分が集まり、総務局長が回収して本田氏側に送った。

 放送法は、放送事業者に番組編集に当たって「政治的な公平」を義務付けている。総務省放送政策課は「総務局長の行為が番組編成に影響を与えたりすれば、放送法上も問題だが、名簿集めだけでは直ちに違法とは言えない」とする。

 熊本大の鈴木桂樹教授(政治学)は「選挙番組も扱うマスメディアの内部で選挙運動に類似した行為が行われれば、視聴者に誤解される恐れもある。より慎重な対応が必要だった」と話した。

 総務局長は「組織的に社内メールを使ったり回覧したりしたわけではなく、個人的に集めた。ただ、誤解を生む行為であったならば、襟を正さないといけない」と言っている。(太路秀紀、中島忠道)