ロッテ、誰からも愛されるアナウンス谷保さん 「こんなに幸せを感じた日はありません」

お立ち台にて記念撮影をしたロッテ場内アナウンス担当の谷保さん(中央)【写真:岩国誠】

30日のオリックス戦で1軍公式戦場内アナウンス担当試合数が1800試合に到達

■ロッテ 4-1 オリックス(30日・ZOZOマリン)

 ロッテで場内アナウンス担当(ウグイス嬢)を務める谷保恵美さんが30日、1軍公式戦場内アナウンス担当試合数が1800試合に到達。試合の成立となる5回終了時に、球団から記念パネルが贈呈された。

 30日の対オリックス戦。9回2死から最後の打者、モヤが打ち上げた打球を荻野がしっかりキャッチする。その瞬間、場内には「試合終了でございます」と、いつもの声でいつものアナウンスが流れた。投打がかみ合っての快勝。その勝利はその声の主へと捧げられた。谷保恵美さん、ロッテの場内アナウンスを担当して29年、この日が1800試合目のアナウンスとなった。

 谷保さんに、入団して8年間、常にコールされてきた鈴木は「今日は谷保さんの記念試合。僕らが打席に立てるのも、谷保さんの声があるから。本当に今日は勝ててよかった」と、記念試合の勝利を喜ぶとともに「あのアナウンスで打席に立つので、本当に気が引き締まりますし、これからもアナウンスをしてもらいたいと思います」と、今後も変わらぬアナウンスをお願いしていた。

 節目の試合で白星を手にした谷保さんは「入社30年目で場内アナウンス担当を務めさせていただいて29年目、こんな日を迎えることになるとは夢にも思っていませんでした。裏方の私がスタンドのファンの皆様から、拍手とコールをいただけるなんて、感謝感激です。こんなに幸せを感じた日はありません。本当にありがとうございます」と感謝の言葉を綴った。

井口監督は「記念の日なので、ウイニングボール、渡しておいてね」

 井口監督も「いい試合だったと思います。記念の日なので、ウイニングボール、渡しておいてね」と、ここまで共に戦ってきた安保さんへ感謝の言葉を口にした。

 ヒーローインタビュー終了後、球団スタッフの計らいで、急遽お立ち台にて記念撮影をすることとなった谷保さん。「えー、行くのなんて思っていたんですが…」と、少し気恥ずかしい面持ちで、お立ち台に向かうと鈴木からこの日のウイニングボールが手渡された。実はこれが2つ目のウイニングボール。「1700の時に涌井さんにもらいました。(このボールは)その隣に飾ろうかな」と、もらったボールを見ながら、笑顔で語った。

 初めてのお立ち台は、恥ずかしさからか「遠くは見れませんでした」ということだったが、記念撮影も終え、アナウンス室へ戻る時にベンチ上のファンの方々からかけられた「おめでとう!」の声には「ありがとうございます」と、はにかみながら、手を振って応えていた。

 アナウンス室でも、鈴木から花束を贈呈されるサプライズ。「全然知らなかったです。お花、もらっちゃいました」と笑顔で語った谷保さん。「また明日から、いつも通り頑張ります!」と、次戦の“1801試合目”へと向けていた。(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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