潜伏キリシタン関連遺産 長崎県がバリアフリー調査 階段やトイレなど 結果はウェブで公開

介助を受けて大浦天主堂へ向かう児童=長崎市

 高齢者や障害者に世界文化遺産の観光を楽しんでもらおうと、県は30日、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産のバリアフリー調査を障害者らの協力を得て始めた。初日は大浦天主堂(長崎市南山手町)を訪ね、駐車場や階段、トイレなどの状況を調べた。11月まで県内の全構成資産を調べ、旅行者向けにウェブで発信する。
 ユニバーサルツーリズム推進事業の一環で、調査はNPO法人県ユニバーサルサポート(平戸市)に委託。30日の調査はデイサービス施設「ねむの木諫早」(諫早市)に通う障害児らが協力した。
 大浦天主堂は正面入り口から建物まで階段になっているため、車いすを利用する児童らは石畳の迂回(うかい)路を利用。途中に溝や傾斜が急な坂道、数段の階段があり、介助者が児童と車いすを抱えて裏門にたどり着いた。天主堂には車いすで利用できるトイレがあり、広さを確認した。調査に参加した県立諫早東特別支援学校中学部2年の秋山大輝さん(13)は「急な坂道があり、車いすを押してもらったが怖かった。でも世界遺産を見学できてよかった」と話した。
 調査結果は9月下旬から順次、県ユニバーサルサポートが運営するホームページ(http://nagasakiken-barrierfree.org/)で公開する。
 県観光振興課は「思った以上に周囲の人のサポートが必要になることが分かった。ホームページで情報を発信していきたい」としている。

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