ロシアのヘプバーン、惨殺遺体で見つかる 著名インフルエンサー・医師・モデルのマルチタレント

By 太田清

 

モスクワ

 世界を旅した画像をインスタグラムにアップし多くのフォロワーを獲得したロシアの女性著名インフルエンサーがモスクワの自宅マンションで刺殺体で見つかり、社会に衝撃を与えている。警察は33歳の男を殺人容疑で逮捕した。ロシア大衆紙コムソモーリスカヤ・プラウダ(電子版)などが報じ、英BBC放送など海外メディアも転電した。 

 殺害されたのはエカテリーナ・カラグラノワさん(24)で、9万以上のフォロワーを抱えるインフルエンサー。医科大学を卒業、医師を目指し研修医として働く一方、モデルとしても活躍。旅行に関するブログも運営し、多くのファンを得ていた。ファンの一部は、その容姿からカラグラノワさんについて、映画「ローマの休日」などで知られる女優の故オードリー・ヘプバーンに例えていた。 

 7月30日の自身の誕生日に合わせ、交際中の男性とオランダへの旅行を計画、準備を進めていたが連絡が取れなくなったことから両親が26日、マンションを訪れたところ、スーツケースの中に入れられた遺体を発見。喉を切られていたほか、胸にも複数の刺し傷があった。争われた形跡はなく、凶器も現場になかった。 

 カラグラノワさんのインスタグラムのURLhttps://www.instagram.com/katti_loves_life/

 警察はマンションの防犯カメラの映像からマクシム・ガレエフ容疑者を殺人容疑で逮捕。動機やカラグラノワさんとの関係について聴いているが「スーツケースに入れ遺体を運び出そうとしたが、入りきれずそのまま放置した」などと事件への関与を認めているという。同容疑者はIT関連会社に勤務、地元のアマチュアサッカーチームのコーチなどもしていると供述している。 

 殺害が発覚して以降、カラグラノワさんの裸の写真がネットに出回り「売春」をしていたとの指摘もされたが、友人はカラグラノワさんの両親は裕福な医師で、学費やマンションの家賃を払い、外国の高級車などを買い与えていたことを考えると「売春する理由がない」と否定している。 (共同通信=太田清)

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